出版社内容情報
「猫が顔を洗うと雨がふる」「ナマズがあばれると地震がおきる」「ねずみがいなくなると火事がおきる」――。日本全国に伝わる俗信を、「猫」「狐」「とんぼ」「蛇」などの項目ごとに整理した画期的な辞典。
内容説明
日本全国に伝わる言い伝えや迷信を徹底的に収集し、項目ごとに分類。散発的になっていた民俗学の知識を集め、その俗信が「伝える内容、伝わる場所」を記し、類型の話順に並べ整理する。本書には、動物、海の生物、虫などの生物に関連する俗信を約2800話収録。
目次
青葉梟
青鳩
赤貝
赤翡翠
浅蜊
鯵
阿比
家鴨
虻〔ほか〕
著者等紹介
鈴木棠三[スズキトウゾウ]
1911年、静岡県生まれ。1929年國學院大學予科入学。郷土研究会で折口信夫の講義をきく。同年6月ごろより柳田國男の書斎に出入り。1934年國學院大學国文科卒業。1936年同大學研究科修了。社団法人農村更生協会月刊機関誌「村」の編集及び調査報告書担当、雑誌「民謡研究」の刊行、國學院大學講師、著述業などを行う。1992年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ざるめ
15
これは素晴らしい!(*゚Д゚*)よくぞここまで細かく収集されたものだ…(*´-`)しかし、読んだそばから忘れていってしまう私が憎い(--;)読むのに一年近くかかっているし(^^;)でもこの本を購入して良かった(^-^)あと「植物編」と「衣裳編」も積んでいるからコツコツと…2023/12/21
ホシナーたかはし
8
読むのではなく、辞典として、暇な時にペラっとめくるのが一番いい使い方。蜘蛛の取り扱いが、朝と晩で文字通り天地の差があるのは不思議ですね。「永田町には鵺が住む」と言いますが、鵺にいわせりゃ「私ならもっとすまぁとにやります」と文句を言われそう。2020/09/05
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
6
・日本の俗信をひたすら纏め上げたものの、動物編(虫を含む)。著者は柳田國男の門下生で、大学生の時に俗信を禁忌の面からまとめるように言われたが果たせず、後に完成させた。 ・俗信の要点は「禁忌+違反+制裁」とのこと。 ・700ページ以上あるので何を書けばいいのか難しいが、呪文の類は「アビラウンケンソワカ」が圧倒的に人気であり、真言の強さを思い知る。 ・他、道教の「救急如律令」や呪歌、お経、古歌等々。→続く2020/10/23
えびちり
2
ぶあっつ!! しかも上下に段組み。活字びっしり! お得! 日本各国の動物に関わる俗信をまとめられたもの。現代では笑い飛ばされるだろう様々な言い伝えが全国分網羅されていてその細やかさに脱帽です。ただ、10項目でお腹いっぱいになってしまい、なかなか読み進められない。一つの項目に何通りもの口伝があるので、それを比べるのは面白い。地域だけでなく、朝昼などの時間によって、そういえば朝の蜘蛛は縁起がいいとか言われて見逃すようにしていたなーなどと懐かしく思い出すのでした。2023/10/30
竈馬
2
現代では荒唐無稽とさえ思うことが、私たちの曽祖父母の時代には「言い伝え」として信じられていたことがわかる。 俗信の収集が丹念なのは、柳田邦男門下ゆえと納得。 辞典なのでどこから読んでもOK。ぱらりと一項目目を通して、先人達の生きた世界に思いを馳せてみてはいかがだろうか。 情報の渦に巻き込まれ、ひと休みしたくなったらこの一冊を強くお勧めしたい。#ニコカド2020