角川ソフィア文庫<br> 秘境旅行

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角川ソフィア文庫
秘境旅行

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  • サイズ 文庫判/ページ数 336p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784044004958
  • NDC分類 382.1
  • Cコード C0139

出版社内容情報



芳賀 日出男[ハガ ヒデオ]
著・文・その他

内容説明

網走に住むオロッコ族の祭典、亡霊を迎え陶酔する西馬音内の夜、深山のロクロ師の生活、四国の最果ての石垣の村、老人が昔話を伝える南海の離島―ここに描かれるのは景勝的な秘境ではない。「ある日、ある時俄然群衆の中にエネルギーが燃え上ると一変する小世界がある…光景的秘境の地底には、そこに何かがあり普遍的な日本がひそんでいる」折口信夫と宮本常一を師にもつ民俗写真家が最盛期の10年間に旅した2000日の記録。

目次

口絵 南の果て奄美群島
ノサップ―北海道―すさまじき流氷、それは国境の岬の春のことぶれ
網走―北海道―日本国籍を持つ北アジア系のオロッコ族を訪ねて
恐山―青森県―白昼に死者を呼び出す?無気味な巫女市の裏面
西馬音内―秋田県―亡霊を迎えて三夜の陶酔、異様な真夏の夜の祭典
妻良―静岡県―誰でも行ける南伊豆の秘境、純朴な四季の風物詩
隠れ里の花祭―愛知県北設楽郡―年末から正月に神々を招待、徹夜で舞う神楽の里
舳倉島―石川県―海女二千名が夏を過す孤島!裸体の楽園で暮す
木地屋の村めぐり―福井県・石川県―深山に住み日本工芸の伝統を守るロクロ師の生活
宇波西神事―福井県―三方五湖をめぐって行なわれる神秘的な祭の全貌
山の中の民俗博物館―広島県―一校長の執念!民具の蒐集品が国の宝となる!
大東町―島根県―生活派の観光地、日本一の養鶏町となった鍵は?
外泊―愛媛県―四国のさいはて、海賊根拠地?奇妙な石垣の村
壱岐―長崎県―島民の四分の一が集まる年に一回の春市を訪ねて
福江島―長崎県五島列島―新興宗教へ改宗したかくれキリシタンの生活を探る
甑島―鹿児島県―昔話を語り伝える老人たちが住む南海の離れ島!
沖永良部島―鹿児島県―夕映えの珊瑚礁の岬で、島民たちは飲んで唄う
久高島―沖縄県―沖縄本島から離れた孤島に住む白衣の巫女と対面

著者等紹介

芳賀日出男[ハガヒデオ]
1921年中国大連市生まれ。写真家。慶應義塾大学文学部卒業。1950年日本写真家協会に創立者として入会。写真家として日本国内、世界101か国を撮影。1970年大阪万博“お祭り広場”のプロデューサーを務め、日本の祭り、世界の祭りを公演。1973年全日本郷土芸能協会を創立。1988年オーストリア・ウィーン市より栄誉功労銀勲章。1989年紫綬褒章、1995年勲四等旭日小綬章受章。1997年日本写真家協会名誉会員。2009年オーストリアより科学・芸術功労十字章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

61
この南北に長く伸びた列島には、各地にその風土に応じた習俗や祭りが存在する。本書は北海道納沙布岬から沖縄県久高島まで、それらを探訪、採集した一冊である。有名な奥三河の花祭を始めとして、北海道に移り住んだ少数民族や恐山のイタコ、新興宗教に改宗した長崎の隠れ切支丹、山の中の個人が建てた民俗博物館等、興味深からぬものは無かった。個人的には祭りそのものよりも、壱岐の市の様子や山奥の木地屋の里等、人々の生活に密着した部分の方が面白く読める。今は恐らくもう無い昭和当時の様子や考え方が浮かんでくるようであった。2020/07/18

つちのこ

44
昭和30年代にかけての10年間に、2000日間にわたる旅で撮影された記録。昭和の民俗学資料としては宮本常一の仕事に並ぶ希少さではないだろうか。なかでもオロッコやギリヤークといった少数民族を訪ねる網走のルポは圧巻。現代ではほぼ和人に同化しているので、サハリンから日本への移住間もない記録としては第一級の価値がある。辺境の離島は今でも秘境としての魅力にあふれ、興味を惹きつける。鹿児島県の甑島や沖縄県の久高島は訪ねてみたい島だ。本書で取り上げられた村の祭事の多くは、今も続いているだろうか?老婆心ながら気になった。2025/02/14

100

42
昭和の秘境旅行記、興味の対象はお祭りや生活など、人々の風習。当時ですら途絶える寸前の風習はもうなくなってしまったかな…2023/05/21

ワッピー

41
昭和30年代、観光地とは程遠い、たどり着くにも時間がかかる小さな集落を巡る紀行。旧来の農村・漁村が産業化に向けて変わっていく様子を伝えています。北海道に定住しているギリヤークやオロッコの民を探したり、いにしえの息吹を伝える祭を追ったり、個人の収集した民具を見に行ったり、津々浦々を巡る旅の様子を読むと、自分の生まれる前なのに強い郷愁を感じます。特に、愛知・北設楽郡の花祭や沖永良部の一重一ビンにはなぜか強い憧憬の念を覚えました。各地それぞれの儀礼は日常生活に根ざしていて、「人在るところ祭あり」を実感します。2022/03/13

たまきら

29
日本が持つ多様な文化に胸が熱くなりました。どの写真にもドキドキしましたが、特に祖父の出身地である沖永良部島の写真にうっとりしました。自分の中の4分の1が、この島の時間をまだ求めているのかもしれないなあ…。ただ一つの不満は、本が小さすぎる!ということでしょうか。2020/11/05

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