出版社内容情報
「日本という国は世界にとって、なくてはならない必要な存在」――。
1957年10月、ロスの夜空に描かれたスプートニクの軌跡に衝撃を受け、天文学者にあこがれた13歳の著者は、翌日から独学で、そしてUCLA、ハーバード大学大学院でロシア語を学ぶ。
その後、米国学生協会の奨学金でワルシャワ大学へ留学した著者だったが、実はCIAの隠れみのだった同協会の身代わりにされ、スパイ容疑に。ジョンソン政権をゆるがす事件に、一度は恋人のいるパリへわたるが、破局してやむなく帰国。しかし、迫り来るベトナム戦争の徴兵から逃げるため、今度はまったくの未知の国・日本へと向かった――。
本書は、その数奇な人生とともに、魅了された文化や日本人の特質に迫る愛あふれる日本論。
精力的に英訳し、世界へと広く紹介した宮沢賢治、師と仰ぐ若泉敬、親友・井上ひさし、大島渚など多くの文化人とのエピソードを交え、俳句、古典、能や祭といった伝統文化、美しい言語や美術、稀に見るサービス精神や再デザイン能力など、世界に誇る日本の魅力を語り尽くす。
【もくじ】
1 ここが、ぼくの国だ
2 驚くべき創造力の国へ
3 世界には、誠実で正直な日本が必要だ
4 日本人も知らない本当の世界遺産とは
5 「5つの日本」
6 1960~70年代に現れた革命児たち
7 世界にも希有な表現者
8 「戦メリ」の助監督をしてわかったこと
9 日本の文化は「振る舞い」に表れる
10 ここではあらゆる場所が「舞台」である
11 世界が気づいた「無私の心」
12 銀河系を自らの中に意識せよ
13 杉浦千畝が世界に示したもの
14 真に非宗教的な先進国、日本
15 日本よ、自らと世界を再デザインせよ
内容説明
「日本という国は世界にとって、なくてはならない必要な存在」。ベトナム戦争の徴兵から逃れ来日した著者。その数奇な人生と共に、魅せられた文化と日本人の特質に迫る愛あふれる日本論。世界へ紹介した宮沢賢治、師と仰ぐ若泉敬、親友・井上ひさし、大島渚など多くの文化人とのエピソードを交え、俳句、古典、能や祭といった伝統文化、美しい言語や美術、稀に見るサービス精神や再デザイン能力など、世界に誇る日本の魅力を語る。
目次
ここが、ぼくの国だ―タクシーの窓から見えたもの
驚くべき創造力の国へ―ぼくの人生は、あらかじめ準備されていた
世界には、誠実で正直な日本が必要だ―京都での生活と若泉敬との出会いから
日本人も知らない本当の世界遺産とは―日本美の思想と、宮沢賢治の心
「五つの日本」―小さな国に満ちあふれた多様性
一九六〇~七〇年代に現れた革命児たち―日本独自の大衆文化を創った、天才たちの功績
世界にも希有な表現者―親友、井上ひさし先生の思い出
「戦メリ」の助監督をしてわかったこと―「戦後」は転換期を迎えた
日本の文化は「振る舞い」に表れる―日本人だけが持つ礼儀正しさと、特有のユーモアセンス
ここではあらゆる場所が「舞台」である―日常における日本人の見事な演劇性
世界が気づいた「無私の心」―日本の風土から生まれた利他の精神
銀河系を自らの中に意識せよ―「反逆精神」から生まれる、日本独自のオリジナリティ
杉原千畝が世界に示したもの―日本人の良心を世界のモデルにするために
真に非宗教的な先進国、日本―世界を対立から救うのは、日本以外にない
日本よ、自らと世界を再デザインせよ―空間と時間を再構成する日本文化と日本語の素晴らしさ
著者等紹介
パルバース,ロジャー[パルバース,ロジャー] [Pulvers,Roger]
1944年アメリカ・ニューヨーク市生まれ。カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)卒業後、65年ハーバード大学大学院ロシア地域研究所で修士号取得。ワルシャワ大学、パリ大学留学を経て、67年来日。京都産業大学でロシア語・ポーランド語講師を務め、72年オーストラリア国立大学で日本語・日本文学を講義。76年オーストラリア国籍取得。82年「戦場のメリークリスマス」助監督を務めたのを機に再来日。17年「STAR SAND―星砂物語」で初監督を務める。08年第18回宮沢賢治賞受賞。13年『雨ニモマケズ』の翻訳で第19回野間文芸翻訳賞受賞、15年第9回井上靖賞受賞、18年旭日中綬章受章。著書多数
坂野由紀子[バンノユキコ]
成蹊大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
広瀬研究会
tecchan
norio sasada