角川ソフィア文庫<br> 骨と墓の考古学―大都市江戸の生活と病

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角川ソフィア文庫
骨と墓の考古学―大都市江戸の生活と病

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  • サイズ 文庫判/ページ数 256p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784044002817
  • NDC分類 210.2
  • Cコード C0121

出版社内容情報

病死? 事故死? 人柱? ──骨には人生が刻まれている大都会のビル群の下、眠りつづける無数の骨。考古学者によって掘り起こされた「古人骨」は、かつてこの町に暮らした近世人の姿をいきいきと物語る。町人か侍か。病死か、事故死か、はたまた人柱か。銭や爪、入れ歯など副葬品の意味とは――? けがや流行り病、食事や性生活、衛生状態や老後の暮らしまで、文献に残らない歴史を、科学の力で解き明かす。人骨をみると「わくわくする」という著者が手まねきする、都市古病理学への招待。

*単行本『八百八町に骨が舞う 人骨から解く病気と社会』に加筆、改題し、文庫化したものです。

谷畑 美帆[タニハタ ミホ]
著・文・その他

内容説明

大都会のビル群の下、眠りつづける無数の骨。考古学者によって掘り起こされた「古人骨」は、かつてこの町に暮らした近世人の姿をいきいきと物語る。町人か侍か。病死か、事故死か、はたまた人柱か。銭や爪、入れ歯など副葬品の意味とは―?けがや流行り病、食事や性生活、衛生状態や老後の暮らしまで、文献に残らない歴史を、科学の力で解き明かす。人骨をみると「わくわくする」という著者が手まねきする、都市古病理学への招待。

目次

第1章 古人骨からみた江戸八百八町(人骨と江戸の町;墓と副葬品)
第2章 骨と墓から何がわかるか(将軍の遺体と墓;墓からわかる江戸人の病気 ほか)
第3章 地方の暮らし(武家の人たち;農村の人たち ほか)
第4章 一七、一八世紀の英国とロンドン(遺跡とペスト;遺跡は語る ほか)
第5章 近世都市・江戸(巨大都市、江戸;過密とクリーン ほか)

著者等紹介

谷畑美帆[タニハタミホ]
1966年、京都市生まれ。明治大学黒耀石研究センター・センター員、同大学文学部兼任講師。明治大学文学部史学地理学科考古学専攻卒業、東京芸術大学大学院美術研究科芸術学科保存科学専攻博士課程修了(学術博士)。英国自然史博物館特別研究員、北里大学一般教育部特別研究員などを経て現職。遺跡から出土する古人骨を、考古学と人類学の研究手法によって鑑定し、過去の社会や生活の様相を研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さつき

60
江戸時代の古人骨について、どんな場所で、どんなふうに見つかるか実例を挙げるところから始まり、生々しい屍蠟化した遺体や脳みその話しには驚きました。梅毒やハンセン病、くる病などによる骨病変を研究することで、その都市でどんな病気が流行っていたか、ある程度わかってくること。その結果、住民たちの暮らしぶりも類推できること。興味深いです。また、特殊な亡くなり方をした人に行われる鍋かぶり葬という存在を初めて知りました。縄文人の古人骨にも土器を被っているものがあるとか。後半の江戸とロンドンの対比も分かりやすかったです。2018/06/11

鷺@みんさー

47
こりゃ面白い!江戸時代の風俗となれば文献が多数残ってるものの、それを「骨からわかること」で裏付けようとする作者は、骨から病気を読み取り、骨からDNAを採取し、骨から当時の寄生虫までわかってしまう。骨ってこわひ。また、同時代の同規模都市だったロンドンとの比較も面白い。一番の違いは、江戸は肥のリサイクルなどが進み、合理的でエコで衛生的な都市だったということ。冒頭の、井戸に死体が…から始まり、お歯黒は虫歯防止とか、病死の人は鉢かぶり葬だとか、最後まで面白く読めた。2018/12/02

CTC

8
18年角川ソフィア文庫、単行本は06年吉川弘文館。著者は明大黒曜石研究センター員で、同大文学部兼任講師、古人骨を考古学と人類学の手法で研究しているそう。とはいえ本書内容は江戸とロンドンの17〜18世紀の人骨からの考察に限っている。この頃のものですら幼児の骨は殆ど残らないそうで(先の大戦で南冥の地で散華された方々の遺骨は、多湿故に野晒しのものは殆ど残らず、埋葬の分も風化が激しいと聞く)、学問上の限界はありそうだ。それでも増上寺改葬の際の徳川秀忠のように状態が良ければ屍蝋化して髪や爪も残存の場合もあるという。2019/09/03

maqiso

6
江戸の地下は水気が多いため人骨がきれいに残りやすい。庶民の墓地からは高密度で棺が見つかる。梅毒は進行すると骨にも影響するため地域・階層による蔓延の差がわかる。江戸時代の人は他の時代に比べて低身長であり、骨の成分から食物を推定するとたんぱく質が少ない。骨に現れない病気も多いが、史料には残されない情報もあり、当時の環境を推定できる。内容がとびとびで読みにくい。2023/03/05

しょうゆ

6
思っていたよりも話題が多岐にわたるけれども、面白かった。骨からそんなことまでわかるのか…と驚くことばかりだった。大都市と地方の対比、江戸とロンドンの対比などわかりやすかったと思う。説明不足に感じるところもあるが、専門書じゃないからちょうどいいのかも。もし将来自分の骨が研究のために発掘されたらどんな所見を書かれるのか…そんなことを考えながら読んだ。2020/07/31

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