内容説明
東京郊外の大型ショッピングセンター「タイニー・タイニー・ハッピー」、略して「タニハピ」。商品管理の事務を務める徹は、同じくタニハピのメガネ屋で働く実咲と2年前に結婚。ケンカもなく仲良くやってきたつもりだったが、少しずつズレが生じてきて…(「ドッグイヤー」より)。今日も「タニハピ」のどこかで交錯する人間模様。結婚、恋愛、仕事に葛藤する8人の男女をリアルに描いた、甘くも胸焦がれる、傑作恋愛ストーリー。
著者等紹介
飛鳥井千砂[アスカイチサ]
1979年生まれ。愛知県出身。2005年『はるがいったら』で第18回小説すばる新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
243
集英社の『小説すばる』の不定期連載だったのに、単行本(文庫本だけど)は角川書店からの出版なのか。お話自体はあまり奥深さも起伏もなくパラパラと読み流して終わってしまった。2011/12/28
さてさて
220
『ここに来れば生活のすべてを満たせます。ここで皆さんの「小さな幸せ」を探してください』。そんなコンセプトをもとにオープンした『大型ショッピングセンター』の『タイニー・タイニー・ハッピー』を舞台にしたこの作品。そこには、そんな『タニハピ』で働く人々の当たり前の日常が描かれていました。読み進めれば読み進めるほどに『タニハピ』のイメージがどんどん鮮明になっていくこの作品。登場人物の繋がりがどんどん鮮明になっていくこの作品。連作短編の上手さが光る、飛鳥井千砂さんの魅力をストレートに見せてくれる、そんな作品でした。2025/03/23
ちはや@灯れ松明の火
214
そばにいるだけで嬉しいはずなのに、どうしてかすかな痛みがちくちく刺さるんだろう。小さな小さな幸せ、キュートな名前のショッピングモール内で働く彼らは顔で笑って心で悩む。物理的距離が心許なくさせる気持ち、一緒に暮らしてても見逃しそうな想い、風に舞う葉のように揺さぶられる。強気の裏に隠した涙、柔らかな物腰に潜むまっすぐな強さ、心の奥底まで全て掴めていない。でも、みんな違う自分を持っていて、誇りながら別の誰かを認めることで繋がっていく。ささやかな幸せは、優しさの水と愛しさの光を浴びて、いつか笑顔の花を咲かせる。 2012/06/14
紫綺
198
恋愛小説ってことで、腰引けながらの読み始めだったが、ぐいぐい引き込まれ、いい気分で読了♪タイニー・タイニー・ハッピー、文字通り、小さな幸せも積もれば超ハッピーに・・・とまではいかないけれど、ゆるゆると頬のゆるむ連作短編だった。やっぱ、誰かを好きになるってことは、大きなエネルギーを産むんだと確信した。2012/06/20
nyanco
190
ショッピングセンター「タニハピ」で働く20~30代の男女の物語。仕事に、恋に悩む若い世代の様子がよく描かれていました。ありがちな設定ではあるのだけれど、日常の何気ないシーンに共感できるエピソードが盛り込まれていました。人から見たら、そんなのどうでもいいことじゃない…と言うようなささいなことが一緒に暮らしている相手に対して、苛立ってしまう感情をドックイヤーと脱ぎっぱなしの洋服という解りやすい行動で表現してされているのがとても良かった。続→2012/05/16
-
- 電子書籍
- 浮雲心霊奇譚 菩薩の理 集英社文庫