内容説明
かつてシベリアでは、全ての不幸や病気は悪霊によるものだと信じられており、精霊の声をきいたシャーマンが祈祷で病気を治していた。しかし、今やその数は激減している。シャーマンでありながら西洋医学を修めた人物に出会い、その儀式と治療を間近でみることによって、伝統的な医療や死生観について考えさせられた。先住民との交流を通して、生とは何か、死とは何かについて思いを馳せる感動の第4章。
目次
グレートジャーニーとは
1 トナカイ遊牧民の暮らし
2 トナカイゾリと犬ゾリの旅
3 放牧地再訪
4 コリマ街道を行く
5 現代のシャーマンを訪ねる
6 シベリア鉄道に沿って
7 バイカル湖の暮らし
8 草原の少女プージェ
9 「ゾド」の大地を行く
10 ラクダの旅
著者等紹介
関野吉晴[セキノヨシハル]
1949年東京都生まれ。一橋大学法学部、横浜市立大学医学部卒業。93年から、あしかけ10年をかけ「グレートジャーニー」を踏破した。2004年から「新グレートジャーニー 日本列島にやって来た人々」をスタート。99年、植村直己冒険賞受賞。現在、武蔵野美術大学教授(文化人類学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えっくん
17
★★★★☆第4巻はシベリアのツンドラ地帯からモンゴルのゴビ砂漠へ。シベリア極東地域の住民との交流により明らかになったロシア経済低迷による困窮生活やツンドラ地帯の自然破壊など資本主義化の歪が極東の地に及んでいるとは思いもよらない現実でした。自転車やソリでの旅が続きますが、ラクダに乗ってのゴビ砂漠縦断もグレートジャーニーらしく自然の驚異に柔軟に立ち向ってゆく関野さんの力強さを感じます。モンゴルの移動中に出会った遊牧民の少女の不遇な人生もあまりに切なく、関野さん自身の悲しみが痛いほど伝わってきました。最終巻へ 2016/05/08
piro
12
グレートジャーニー再開。今回はシベリアの東端からモンゴルへ。馬、トナカイ橇、自転車、ラクダなどを乗り継ぎ、人も殆ど住まない広大で過酷な自然の中を進みます。自然が厳しいが故、人々の優しさが際立つ一方で、ソ連崩壊後、以前よりも困窮した生活を強いられているシベリアの人々には何とも言えない悲しさを感じました。モンゴルの草原に生きる遊牧民の家族と関野さんの触れ合いには心温まる想いになりましたが、その後家族を襲った悲劇には言葉もありません。過酷な旅である上、多くの厳しい現実に遭遇した今回は少し辛かった…。2018/05/14
マーク
4
40 あと一冊で完結してしまう。3巻までと同様に良い。地元民との触れ合い!但し撮影隊は気になるね。プージュ悲しい…2016/04/22
michu
4
犬ぞりやトナカイゾリ、ラクダ隊など、なんとも言えず心をくすぐる旅が続く。アラスカの犬ぞりとの違いは象徴的だった。しかし苛酷な地域だ。狩猟民族の方が農耕民族より、助け合いながら生きているというのは意外だったが、説得力は充分だ。現在ではロシアも経済的に成長してもっと状況は良くなっているのだろうか。そう望む気持ちと、資本主義経済に飲み込まれる事で失う物の惜しさと、複雑な気分だ。2012/08/05
sasha
2
モンゴルで出会った遊牧民の少女。「あとがき」で報告されているその後に茫然。2011/02/01
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