内容説明
懐かしいあの日々、温かな友情、ゆっくりと育む恋―常に目立たず控えめな吉田くんは、さまざまな思いを秘めて大学生活を営んでいた。小学校時代の図書室での幸福感。小田原城のゾウ、親友でヤンキーの又野君、密かに恋心を寄せる舞子さん…。やがて、高校卒業後に音信が途絶えていた又野君と再会。2人に去来する思いとは。そして舞子さんとの恋の行方は?(表題作より)名作「ハミングライフ」を含む、新たな青春小説の傑作。
著者等紹介
中村航[ナカムラコウ]
1969年岐阜県生まれ。芝浦工業大学卒。2002年「リレキショ」で文藝賞を受賞しデビュー。04年『ぐるぐるまわるすべり台』で第26回野間文芸新人賞を受賞。『100回泣くこと』は単行本、文庫ともにベストセラーになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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❁かな❁
192
中村航さんの作品を読むのは5作目。久々で中村航さん読みましたが、やっぱりとっても素敵❀.(*´▽`*)❀.3編入りでしたが断トツで「ハミングライフ」が大好きです♡すごく可愛くて好み♬「あなたがここにいてほしい」も中村航さんらしくて良かったですが、「ハミングライフ」の2人の可愛いやり取りにキュンとして後半の方ではウルウルしてしまいました*中村航さんの作品は純粋な可愛いやり取りに感動してしまって他の人が泣かないような場面でもいつも涙が出てしまいます(இдஇ; )中村航さんいいですね♬ほっこりして癒されました♡2015/12/31
優希
96
懐かしい日々、あたたかく育まれる友情や愛情、そんなキラキラしたものが詰まっていました。ふわふわした綿菓子のような甘さの3つの物語。読んでいて心がほっこりして癒されました。それぞれの優しさに浸る時間がとても心地よかったです。心あたたまる素敵な作品でした。2016/03/31
さおり
83
遅ればせながら新年1冊目!これも良かったわー、中村航さんの魅力がたっぷり。私もさー、過去に関わった誰かの中で、舞子さんのように想われたことがあったかなぁ。あったらいいなぁ。あったような気がしてきた(気のせい。笑)。心の中がほんわかほんわか。よし!今年も良い年になりそうだわ。2015/01/04
まりも
79
懐かしいあの日々に温かな友情、ゆっくりと育む恋。そんな日常を描いた3つの短編からなる短編集。中村航さんの描く物語の魅力が最大限に出ていた1冊なんじゃないでしょうか。どのお話もふわふわとした穏やかな優しさと温もりに溢れていて、読んでいてほっこりしました。ガッツリとした読みごたえはありませんが、作品全体に漂う優しい雰囲気に浸る事が出来るので通勤時間とかに読むのには最適ですね。好きな話は「ハミングライフ」。うろレターのやり取りにほっこりしました。後、あの吉田君は夏休みの子やんね。2016/03/04
ひめありす@灯れ松明の火
76
中村さんの描く男の子達って、なんでこんなに可愛いのだろう。女の子ももちろん春風のように涼やかで可愛らしいのだけれど、男の子達の繊細でナイーヴな心の機微を甘く優しく、丁寧に綴っています。まるで冬のオリオンの様な物語。冬の暗い夜に、遠く高い所にあるお星様に、そっと手を伸ばしているような。触れたいのに触れられない。だけど綺麗だから嬉しくて、涙が滲むようにもどかしくて少し悲しい、そんな距離感を感じさせる。wish you were here。あなたがここにいるのなら、私はあなたを両腕でぎゅっと、抱きしめるのに。2012/04/08