内容説明
たとえば、誰かを好きになったとき。ココロがぎゅっと締めつけられるように痛むのは、いったいどうしてなんだろう―?いまこそ読みたい作家が集結。それぞれが描いた切ない物語とは?名作を厳選、超豪華ラインアップでおくる、短編小説集『きみが見つける物語 十代のための新名作』。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りゅう☆
73
お調子者ケンジが気になるが冷めて見てしまうし、いじめシーンはやっぱりイヤだった川島誠さん。家の借金で夜逃げして親戚を頼って来たという抱えてるものが大きくてイタい加納朋子さん。母からの愛情を受ける仲良し姉妹だけどその姿に将来の不安を感じた荻原浩さん。母と別れた父の元を訪ねると同じ年代の男の子がいて冷蔵庫には女性とその子との写真が貼ってあって…山本幸久さん。失くした物を探してくれて頼りのお手伝いのキリコさんはある出来事の後、辞めてしまって…小川洋子さん。小僧の仙吉にお鮨をごちそうするも一種の寂しさを感じて…→2023/09/28
優希
69
切なさの漂う物語ばかりでした。その想いは色々ですが、誰かを好きになったときの気持ちは皆心が痛むものなのですね。この手の作品は普段あまり読まないので、新鮮でした。2019/05/14
佐々陽太朗(K.Tsubota)
58
タイトルに「十代のための」とあるが五十代が読んでなにが悪いと開き直りつつ読了。私の好きな作家、山本幸久氏、荻原浩氏、小川洋子氏の短篇が掲載されているとなれば読まない訳にはいかない。「切ない話」かどうかは人それぞれ「切ない」の定義によるだろう。切なくはないかもしれないが、味わいが深い。中でも山本幸久氏の「閣下のお出まし」、小川洋子氏の「キリコさんの失敗」、志賀直哉氏の「小僧の神様」が素晴らしかった。2012/01/12
まるほ
41
10代向けにテーマ別にシリーズ化されたアンソロジー。先日たまたま手にした「恋愛編」が良かったので、続いて“切ない話”編の本作を手に取りました。▼手始めの『笑われたい』はちょっと私には響かず…。『小僧の神様』もちょっとピンと来ず…。『春の嵐』はシリーズの一部分らしく唐突に終わってしまった感じ。『閣下のお出まし』『キリコさんの失敗』は切ない。▼読後感が一番だったのは『お母さまのロシアのスープ』。最後の一行…。切なさを超えた、なんとも言えない強烈な印象…。▼本作をきっかけに本編や他の作品も読みたくなりました。2022/09/08
小夜風
27
【所蔵】切ない話編は川島誠、加納朋子、荻原浩、山本幸久、小川洋子、志賀直哉。川島さんのはこういうことあったなという生々しくて思い出したくない記憶を呼び覚まされたような不快感が。加納さんのは半端なところで終わってしまって続きを読まなきゃいられない感じ。馬鹿親の話はしんどいな~。荻原さんのは自分が今まで読んできたいろんな話を寄せ集めたような印象でした。山本さんと小川さんの作品こそが切なくてでもちょっぴり暖かくて良いなって思いました。志賀直哉は多分再読かな?国語のテストに出てきそうな話でした(笑)。2016/07/11