内容説明
動物臓器の人への移植。その挑戦は超急性拒絶反応や未知のウイルス感染症の出現リスクに何度も阻まれた。新技術の到達点を展望する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
69
異種移植、即ち人間に動物の臓器等を移植する。図書館で見かけ読了。故立花隆氏著書等より以前から興味ある分野。著者に拠れば、ゲノム解析による遺伝子研究から格段にこの20年、研究が進んだという。その他、免疫拒絶反応や未知の感染症リスク、人獣共通ウィルスのリスクも以前としてあるが、人工臓器や人から人への移植が進まない現状、この研究は進められている。また、今後の豚を主軸とした動物工場・動物バイオテクノロジーについても記述あり。2023/01/15
shikada
14
異種移植の歴史や課題を整理する一冊。患者の臓器や皮膚などが正常に機能しない場合の治療法のひとつとして、他の個体からの移植がある。ヒトからヒトへの移植と並行して、ブタやチンパンジーからヒトへの臓器移植が行われてきた。課題は、免疫の拒絶反応や、移植によるウィルス感染、ドナー不足、動物福祉の倫理的な問題など。移植のハードルは自家移植(自分の皮膚を別の場所に移植するなど)が最も低く、次に双生児の同種移植(ヒトから別のヒトへの移植)、それ以外の同種移植、そして他種移植(ヒト以外の動物からヒトへの移植)が最も難しい。2023/06/24
ルーシー
5
異種移植の歴史と現状がわかりやすくまとめられていてとて面白かった。2022年の豚の心臓移植のニュースを見てなぜ豚なのかと思ったがこの本を読んで納得した。移植用の豚は遺伝子改変&徹底管理された特別仕様であり、「従来の家畜の概念を超えた存在」になるとしている。また、日本の問題点として、動物福祉や異種臓器の移植についての法整備が遅れていることがあげられる。2023/04/09
takao
2
ふむ2024/06/17
slice
2
良書。2022年の豚の心臓の移植手術について気になっていたので購入。途中までは初心者にも分かり易い内容となっていたが、途中から専門用語が並び、スマートフォン片手に格闘することとなったが、無事に読み終えることができた。異種移植という医療の未来について、分かりやすく丁寧に説いていると思う。2023/02/14
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