内容説明
不正融資を暴く雑誌記事が掲載され、ワンマン会長が牛耳る中堅損保会社「シブカジ」に激震が走る。一部の者しか知らないはずの証拠コピーはどこから流出したのか?退けた元副社長が怪しいと睨む会長は、守秘義務違反で莫大な損害賠償請求を起こす。苦境に陥った元副社長は、若手弁護士とともに裁判に臨むが…。損保業界の暗部を抉り、「公益とは何か」に迫った、記念すべき第1回ダイヤモンド経済小説大賞受賞作、ついに文庫化。
著者等紹介
滝沢隆一郎[タキザワリュウイチロウ]
1966年生まれ。弁護士。麻布高校を経て東京大学法学部卒。『内部告発者』で第1回ダイヤモンド経済小説大賞(現・城山三郎経済小説大賞)を受賞。弁護士としては、商取引、営業秘密保護、リスクマネジメントなどの企業法務に詳しい。また本名で関与したテレビドラマ等の脚本協力・法律監修は30作品を超える(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Pure
4
プロットは実に面白いですが、リーダビリティが低いので、なかなか加速しない感じでした。それにしても遣り手弁護士に嵌められると、巨額賠償を負わされる危険があることが恐ろしく感じた。さらに、訴訟費用敗訴者負担と言っても弁護士費用は費用に含まれないわけで、たとえ勝訴してもかなりの高額負担が発生するのは理不尽。とりあえずハッピーエンドなのだが、大団円を迎えた爽快感が弱いのは作者の力量不足か?2014/09/22
ふみふむ
4
公益通報者保護法が制定する04年頃にこの小説のように突っ込んだ問題提起をすることは弁護士であっても難しいと想像する。正義があろうと個人が組織に抗することがどれほどの犠牲をともなうものか、その点に触れられていたことも現実味があった。2012/05/01
れじい
1
登場人物から、この人が内部告発者かな、と容易に想像できたので、ミステリー的要素はそれほどでもないと思う。 羽根田さん主役の物語を読んでみたいなあ。2019/04/30
masatoshi
0
☆2.52013/08/15