出版社内容情報
森見 登美彦[モリミ トミヒコ]
著・文・その他
内容説明
「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作。
著者等紹介
森見登美彦[モリミトミヒコ]
1979年、奈良県生まれ。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同作品は、本屋大賞2位にも選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
1720
デビュー作の『太陽の塔』に続く京大バンカラ、偽硬派小説。もっとも、前作がその文体を含めて意気込み過ぎていたのに比べれば、はるかにこなれている。二人の語り手に交互に語らせたのも成功の一因か。木屋町から始まって下鴨糺の森、そして京大構内での学園祭(11月祭)を頂点として、彼らの語りはもはや縦横無尽。神出鬼没のアングラ演劇、「象の尻」、「おとこ汁」なんて本当にありそうだ。ただし、「いかにも」感が強すぎはするのだが。なお、エンディングは作者の願望投影だろうが、ここは最後まで偽硬派を通してほしかったと思う。 2019/01/08
HIRO1970
1479
⭐️⭐️⭐️⭐️森見さんお初です。最初は大正ロマン竹久夢二的懐古調なお話かと思いましたが、豈図らんやでいきなり一見さんお断りの京都の夜の街で如何にただ呑み豪遊するかを奇術幻術を交えた上にゲリラライブやラブストーリーもあり、古今東西の作家や音楽の名言が疾風怒濤勢いで次々と出て来るので其処此処に漱石や太宰治や芥川や中原中也や石川五右衛門や尾崎豊までも表れたのには驚きました。空を飛ぶファンタジックなのはピーターパンかスーパーマンか出典は判りませんが、兎に角混沌としたジャムセッションのライブ感が魅力の作品です。2016/02/17
めろんラブ
1201
懇願したくなりました。「毎日充実してキラッキラに輝いている方、モテ期到来でウハウハ要素満載の方、どうかこの本だけはお手に取らないで。よしんばお読みになったとしても、どうか『わかる、わかる、結構おもしろいよねー。』などと軽ーくおっしゃらないで。この物語に共感する喜びくらい、先輩と同類の、我々イケてない組構成員たちに残しておいてはくれませんか」と。恋愛ファンタジーinモリミーワンダーランド。乙女と同様にほろ酔いでお読みになれば、変人だけど愛すべきキャラたちと、ふわふわと戯れながら眠りにつけること必至です♪2009/11/11
青乃108号
1126
15年ぶりくらいの再読。あの頃すでにおっさんだった俺は齡を重ねてさらにおっさんになってしまった。内容は記憶に残っていなかったが、好印象だけは残っていたので冥土の土産に読んでみることにしたのだ。若かりし頃の自分が物語に重なって、あの頃は毎日が楽しかったなぁ、俺も一日中受話器を握りしめて迷った末、意を決して女の子に電話したりしたよなぁ、何もかも皆懐かしい。と沖田艦長の様に感慨にふける老齢に近づいてしまった我が身。ラストの彼女と先輩の、初めての会瀬の場面は憶えていたし、これからもずっと忘れないだろう。名作。2023/09/25
ehirano1
1109
もうね、本マジックリアリズムに完敗というか乾杯!楽しぃ~♪ヘタレ先輩が恋心を寄せる自由過ぎる後輩への春夏秋冬に渡る七転八倒のナカメ作戦には目が離せません。周囲を固めるモブ達も秀逸。お勧め。2024/09/14