内容説明
脳の病を患い、ほとんどすべての記憶を失いつつある母・千鶴。彼女の心に残されたのは、幼い頃に経験したという「凄まじい恐怖の記憶」だけだった。突然の白い閃光、ショウリョウバッタの飛ぶ音、そして大勢の子供たちの悲鳴―。死を目前にした母を今なお苦しめる「最後の記憶」の正体とは何なのか?波多野森吾は、母の記憶の謎を探り始める…。名手・綾辻行人が奇蹟的な美しさで紡ぎ出す、切なく幻想的な物語の迷宮。
著者等紹介
綾辻行人[アヤツジユキト]
1960年京都生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年に『十角館の殺人』で作家デビュー。これを引き金に巻き起こった「新本格ムーヴメント」は、推理小説界の一大潮流となった。92年には『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。一方で、ホラー小説にも意欲的に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
84
ホラーとミステリーの中間?って感じ。なんか中途半端な感じもあるが面白かった。2013/11/26
gonta19
66
2007/6/25ジュンク堂住吉シーア店で購入。 2014/4/22〜4/26 7年ものの積読本で約2年ぶりの綾辻作品。サイコホラー系であったが、若干作品世界に入り込めなかった。解説の千野帽子さんが書かれている謎、結局わからなかった。何なんだろうか。2014/04/26
散桜
61
不安感を煽られて、妄想と現実の間をさまよって。ショウリョウバッタの羽音と白い閃光。夕暮れの空はヒトの血の色。そして首なしのモノ。様々なモチーフが散りばめられていて凄く引き込まれました。が、なんだかモヤモヤとフワフワと終わってしまい、結局何だったんだろう感は否めません。ファンタジーでありミステリーでありホラーである。いつもどおりの雰囲気はとても漂ってます。読み易かったです。そして咲谷由伊!!貴女一体何者なんですか?!他作とのリンクのおかげで本筋よりもそこにゾクリとしました。2015/02/03
ピッポ
58
波多野森吾は若年性の痴呆症に冒された母の「最後の記憶」の謎を探り始める。同じ様な心理描写の連続にまどろっこしさを覚えるも、徐々に幻想的でノスタルジックな雰囲気に魅了されました。ホラー、ミステリー、ファンタジーなど多様な要素が融合された作品です。2017/04/29
siro
55
う~ん…想像していたストーリーとは違ったかなぁ。主人公に共感できるところがなく、何となくはっきりしない印象でモヤモヤ。現実離れした展開に気持ちが乗りませんでした。辛口の感想になってしまいましたが、ホラーよりのミステリーと思って最初から読んでいたらまた違ったのかなぁ。ちょっと残念。2016/06/16