内容説明
万全のセキュリティと美しい景観を備えた四季風ニュータウン。女性チェロ奏者キム・イェニョンはリサイタル中、頭部のないヘビのイメージに襲われ、この町に隠された秘密を直感する。ニュータウンを開発した企業グループの総帥・石母川は孫娘と音楽を愛する一方で、人知れず孤独な魂を抱えていた。光あふれる町の背後にひそむ強大な悪意に気づいた聖域修復師・八神宇鏡は、イェニョンとともに未曾有の危機に立ち向かう。
著者等紹介
倉阪鬼一郎[クラサカキイチロウ]
1960年三重県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社勤務を経て、98年より専業作家。幻想小説、ホラー、ミステリ、時代小説を中心に活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kumo
2
★★★★☆2014/06/05
もっち
2
これはおもしろかった 倉阪ホラーの様々な要素がぐっと詰め込まれ、それが大変真っ当にヒロイックなエンタテインメントに結実している 例によってぼろぼろの八神宇鏡がすげえかっこいい ただ実は街中で発生しているであろう血みどろ惨劇部分はあまり目に触れず、石母川の「隔靴掻痒」という気持ちも少し分かる このシリーズはもっと読みたいな2011/06/02
ジャッカル佐崎
1
ひらがな3文字シリーズ中でもかなり静かな始まりを見せ、不穏な雰囲気が漂ってくるのは全体の4割も過ぎてからである。財力と権力を持ち、芸術を愛し、家族にも恵まれた地方の名士・石母川の心の奥底は「おそれ」に満ちていた。人間誰しも逃れられない「死」へのおそれ。自らの老いと共に世界の終わりを望む石母川は、地方小都市に結界を貼り、旧き悪神を育てていた…。1作ごとにテイストの異なるこのシリーズだが、今回はわりとストレートな伝奇ホラー。やや冗長な部分もあるが雰囲気は抜群で、締めの一作としては上々の出来ではなかろうか。2022/09/29
らむり
1
倉阪鬼一郎さんの作品って、大概評価低いけど、分かる気がします。★☆☆☆☆
うづき
1
シリーズとは知らなかった。なかなか面白かったので他のも読んでみたい。怖くはなかった。やはり蛇のほうが怖いよ。どう考えたって蛇のほうが怖い。でも、蛇神様達はいい人達でほんわかした。一番怖いのは人間だよって話でした。2012/09/14