内容説明
「将ちゃんは、あたしがそれまで付き合ったことのある若い男の子たちとは、もうとにかく全てが違っていて、あたしは目いっぱい背伸びをして、将ちゃんに追いつこうと必死だった」。世慣れた雰囲気と強引さで、自分の欠落感にぴたりと嵌りこんで夢中にさせてくれた歳上の彼との儚い恋を描いたR‐18文学賞受賞の表題作他、ある女性の恋愛遍歴を、エロティックにユーモラスに、そして何よりキュートに描いた傑作恋愛小説。
著者等紹介
日向蓬[ヒナタヨモギ]
1969年生まれ。「マゼンタ100」で第1回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞を受賞してデビュー。同作に書き下ろし4編を加えて刊行した同名の作品集が、女性の恋愛模様をみずみずしくもリアルに描いて話題となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
169
読友巨峰さんの推薦本。ただし、「バブル、大阪、倫理的に潔癖すぎない、官能表現OK」の4条件をクリアしないと楽しめないとのこと。①バブル―たしかにバブリーではあるけれど、主人公には全くそうした執着はない。②大阪―これもステレオタイプのそれとは違う。③,④は、いわばセットのようなものだが、たしかにこれは全く受け付けないという人はいそうだ。私は楽々クリア。官能という点では、沼正三もポーリーヌ・レアージュもO.K.だ。シンボルカラーとともに、「あたし」とエンディングは可愛く、せつなく、そしてなんだか哀切な物語だ。2013/01/04
おしゃべりメガネ
161
R18文学賞受賞作品で初読み作家さんでした。さすがは「R18文学賞」の冠をとる作品だけあって、賛否両論になるんだろうなぁと感じます。そもそも、この冠の作品はおそらくおもしろい、おもしろくない云々というよりは雰囲気や作品のインパクトを感じたり、味わったりするんだろうなぁと個人的には思います。そんなに官能描写や「性」に対する執着?が強いとは感じなかったので、割と読みやすい部類の作品かなと。窪さんのように結構エゲつなく描きたてるワケでもないので、いい意味で意外とサラッと読了し、読後感もヘヴィではなかったかなと。2012/12/19
海月
68
つまらないわけじゃないんだけどなかなか伝えたいことというかなんか全体的にふんわりしてる感じ。多分性を題材にしてるからこんなふんわりしてるんだろうなと。でもそのふんわりが心地よかったりはする。2023/08/09
巨峰
27
床上手で少しだけ蓮っ葉で、よく仕事をする女性を主人公とした第1回女によるR18文学賞大賞受賞作を含む連作短編集。大阪が舞台、作者がボクと同い年ということで彼女が描く世界とか世相とかいうのが結構わかるわけで、でもこんなにええとこにはいってないなぁ。官能表現は流石だなと思います。生々しいけど、下品じゃない。主人公の女性は、若い頃から20も年上の男とつきあっていて、それからも不倫常時の如しで倫理観を少しも持ち合わせてなくて、先のことも考えてないけど、何故だか男と上手く付き合っているなという感想を持ちました。2012/12/18
melon
9
【印象に残った箇所】 天才は孤独だ。 凡人は天才を見上げるけれど、天才は天才である自分を見つめるしかない。2014/06/22
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