内容説明
暴君・武烈天皇の死後、皇統は断絶の危機に瀕したが、大和朝廷の実力者・大伴金村は越から継体天皇を迎え、これを乗り切る。大和の保護領として連合体を築いてきた任那もまた、百済への四県割譲、新興国・新羅の侵攻で滅亡の危機にあった。三韓政策が転換を迫られる中、筑紫では磐井の乱が勃発。大伴氏に替わって台頭した蘇我氏は、仏教をめぐり物部氏との対立を深めていく。正史「日本書紀」から蘇る、東アジアの中の古代日本。
目次
継体天皇を奉ず
四県割譲
磐井の乱
受難の任那
大伴全盛
金村失脚
蘇我戦略
任那滅亡
仏教伝来
皇后と大臣
飛鳥への道
著者等紹介
八木荘司[ヤギソウジ]
1939年、兵庫県生まれ。京都大学文学部卒業。63年、産経新聞社入社。大阪本社編集局社会部長、同編集長、東京本社論説委員長を経て、編集特別委員。フィクション作品に『ソウルに消ゆ』(第5回日本推理サスペンス大賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TheWho
10
日本書紀を核に今に残る様々の古代文献から紐解き、古代日本をいきいきと物語る古代史絵巻「古代からの伝言」シリーズの第三弾。前巻は、神功皇后の三韓征伐から倭の五王の空白の五世紀迄を語っていたが、本巻は、皇統断絶の危機と言われる継体天皇の時代から磐井の乱、任那日本府の滅亡、仏教伝来と排仏騒動に至る激動の六世紀を物語っている。またそれに伴い大伴金村の失脚から物部氏と蘇我氏の対立、そして蘇我馬子が台頭した推古女帝時代へと推移していく。時代はいよいよ聖徳太子の活躍が期待される。次巻が楽しみです。2014/12/28
ハッピーハートの樹
8
再読。継体天皇から磐井の乱、大伴金村、任那滅亡、仏教伝来、物部氏の滅亡までです。ほとんど知らなかったもん。日本じゃありませんが任那、百済、新羅、そして高句麗。このあたりの歴史があまり残っていないのは残念です。物語としてもすごく興味深いだろうに。それと大伴さんも物部さんも蘇我さんも、なかなかに波乱万丈だし。この人たちのお話も、もっともっと詳しく聞きたいです。そしていよいよ厩戸皇子が登場。彼の本格的な活躍は次の巻ですが、舎人(従者?)が、こんな暗殺者だったとはね。聖徳太子の物語にも登場してくるのでしょうか。2015/04/08
ヘムレンしば
3
武烈天皇後の皇統の危機から継体天皇即位。磐井の乱、任那滅亡を経て、仏教伝来、蘇我vs物部で物部氏が滅亡するまでの時代です。前半は軍事を司る大伴金村を中心とした時代。ここで皇統は絶えたに違いないと今の学者は大はしゃぎですが、何よりも重要で支那朝鮮の歴史との違いは、権力・軍事力を握っていた大伴氏が易姓革命を起こさなかった事ですね。何よりも皇統を重んずる思想が日本にはある。武骨な大伴金村の時代から、政略・経済に強い蘇我氏の台頭。暗殺が横行する血腥い時代に。しかし次巻から聖徳太子の煌びやかな飛鳥時代幕開けですね。2016/05/05
amr
2
馬子と守屋が仲良かったところをもっとkwsk……!。おもしろかったけど、もっともっと知りたい=物足りないって気持ちになってしまった。それだけ魅力ある人物に書けるってすごいなぁ。もちろん元から面白い時代ってこともあるけど。2012/07/07
ゆっきーまうす
2
磐井の乱なんて知らなかった。馬子も出てきた。古代は面白い。2011/02/19