内容説明
トヨタ自動車が生み出した「カンバン方式」こそが「派遣切り」の本質だった。リーマン・ショック以後、人を部品として扱う派遣切りは常態化し、格差社会の広がりはとどまるところを知らない。この国にいま何が起きているのか。急増する若年層ホームレスの不満はどこへ向かうのか。非正規雇用・失業者=プレカリアートの立場から発言を続ける雨宮処凛が、佐高信とともに警鐘を鳴らす。新たな語り下ろしを加えて待望の文庫化。
目次
語り下ろし 追い詰められる若者たち―深刻化する現実
第1章 廃墟に閉じこめられたフリーター
第2章 学校は戦場だった
第3章 「生きさせろ!」という生存運動
第4章 サラリーマン社会のなかでの闘い
第5章 生存のための共同性
第6章 右翼と左翼を超えて
第7章 フリーター国際主義
著者等紹介
佐高信[サタカマコト]
1945年山形県酒田市生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、高校教師、経済誌編集長等を経て、現在、評論家として活躍中。歯に衣着せぬ鋭い評論には定評がある。「憲法行脚の会」呼びかけ人の一人。「週刊金曜日」発行人・編集委員
雨宮処凛[アマミヤカリン]
1975年北海道生まれ。作家。右翼活動を経て、現在はプレカリアート(「不安定な労働者階級」を意味する造語。非正規雇用者や失業者)の生存闘争を主要テーマに、新自由主義がもたらした「生きづらさ」の正体を見据え続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坊っちゃん
7
★★★2020/08/04
星辺気楽
2
今、なぜ若者が左翼の平和運動よりも右翼の方に向くのかが、よく分かる本。かりんさんの経歴が半端なくすごくて尊敬してしまう。それにしても若者を切り捨てていく社会に対して若者からの怒りの声が巷から聞こえてこないのが恐ろしい。2013/11/16
名前ちゃん
1
なんかこういう本を読んで腑に落ちれば落ちるほど、親の金と大卒の既得権フル活用して就活することに罪深さを感じる弱いものの側にありたいと思っても食えなきゃ他人の迷惑になるし、微妙あとオウムの若者みたいなピュアなこの社会は腐敗している!破壊!みたいな気持ちはわかるわかるけど、言語表現という社会の内側のジャンルにとどまりつつ中から破壊するやり方を選択すべき、しかしパワハラひでえな18時間勤務だの靴で顔蹴るだの2015/04/30
toshokan-no-hito
1
雨宮処凛と佐高信の噛み合いそうで噛み合ない微妙な対談が面白かった。2013/04/23
ti
1
政治についての本は最近はそれほど読んではいないけれど、雨宮処凛さんの大ファンで、この対談は面白かった。雨宮さんの意外な実体験や引き出しの多さは、右翼左翼という思想の枠組みを超えて、多くの共感を呼ぶはずだ。若者の雇用や、プレカリアートの問題に関心がある人は必見。2012/09/10