内容説明
新聞記者を辞めた「私」は、御溝と名乗る奇妙な男から秘薬ニスイについて執筆を依頼されるが、取材相手の死など不吉な体験をする。実は、御溝は死者の言葉を呼び返そうとしていたのだ。庭を覆い隠す木賊のように「私」の不安は増殖してゆく。言葉の呪術的な力を駆使した「とくさ」(第十一回日本ホラー小説大賞短編賞佳作)他、新感覚ホラー四篇。
著者等紹介
福島サトル[フクシマサトル]
1963年生まれ。新聞社勤務を経て、創作活動に入る。2004年「とくさ」が第十一回日本ホラー小説大賞短編賞佳作に選ばれる。同年、童話作品「はいけい、たべちゃうぞ」が第二十回ニッサン童話と絵本のグランプリ童話部門最優秀賞を受賞、BL出版より刊行される。埼玉県川越市在住
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感想・レビュー
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Bugsy Malone
80
表題作を含む4編の短編集。どの短編も夢と現実の狭間を彷徨う様な感覚を味わうと共に、先行きの見えない話に不安定さを覚え落ち着かない。読了後もこの感覚は消えず、自分でも面白かったのかつまらなかったのがか正直解らない。ただ、読んでいる間、物語に取り込まれてしまっていたのは確かだ。2019/06/02
miroku
8
言霊。言葉の呪力。・・・ことに文章になるとね。言葉は魔力がある。2010/10/09
MK2
7
ホラー賞短編賞佳作「とくさ」を含む短編集 「ナイヤガラ」「掌」「犬ヲ埋メル」「とくさ」知ってる人には、なるほどとおもしろく思えるのかもしれないが、曖昧で意味がわからなくて斜め読みになってしまった。 2017/08/24
ぽに
5
作者さん初読み。不気味さといまいちわからない感じというか…印象がかなり古い作品のように感じたけどそうでもなくてびっくり。読みづらくて1話目だけ斜め読み。続きを読む気になれなかったので途中挫折。2022/12/02
アキ
5
ホラーといえば、ホラーなんだろうけど 抜け出せない悪夢を続けて見てるみたいな そういう意味では怖いんだろうけど ものすごくわかり難い。 後から説明はあるけど、その過程にする意味がわからん。 何かをにおわせたいんだろうけど、そこがずれている。 文章も合わなかった。入り込めない。 目的というか、執念というか・・・ それでいて姑息で、なんというかやはり合わない。2015/12/08