内容説明
「信長は合理的な人間だった」「“犬公方”こと徳川綱吉は名君だった」は本当か―。キリシタン弾圧から鎖国にいたるまでの、波乱に満ちた「戦国~江戸」の歴史をわかりやすくレクチャー。数字やファクト、ロジックに照らし、これまでの常識に揺さぶりをかけながら、教養の達人が鮮やかに語り尽くす「日本史」講義、第三弾!
目次
第1章 室町幕府の終焉と信長政権
第2章 秀吉の天下一統
第3章 家康による戦国の終焉
第4章 武断政治から文治政治へ
第5章 享保と寛政の財政政策
第6章 列強のアジア進出で揺らぐ幕府
第7章 開国と富国と強兵
第8章 戦国・江戸篇まとめ 江戸時代に生まれてみたい?
著者等紹介
出口治明[デグチハルアキ]
立命館アジア太平洋大学(APU)学長、ライフネット生命保険株式会社創業者。1948年、三重県生まれ。京都大学法学部を卒業後、日本生命保険相互会社でロンドン現地法人社長、国際業務部長等を経て、2006年に退社。ライフネット生命社長、会長を務め、18年より現職。21年1月に脳卒中を発症、約1年の休職後、校務に復帰した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーイチ
31
世界史に続いて日本史も読んじゃった。予想通り江戸時代・徳川幕府下の時代は評価が低い。室町、応仁、戦国期の欠点を補って?初めての強力な統一政権が誕生したけど民衆の活力を削いだって事らしい。但し江戸とか大阪の大都会は高度でユニークな文化が花開いたのを知っている。小生はそっち派。教育、教養が行き渡ったのも丸だと思うけど。続く2023/04/09
ふくとみん
11
江戸時代に多くのページを振り向けている。最後の結論「江戸時代は日本の歴史上最低の時代だったのではないか」には納得させられた。最新の研究が盛り込まれ坂本龍馬は「史実としてよくわからないのが学問的評価」らしい。2024/03/24
しゅー
7
★★想像どおり出口さんは江戸時代がお嫌いのようで。私も本書の「江戸しぐさ」のくだりは同意だし、なんでも「日本素晴らしい」に話をもっていく人に「江戸」を持ち上げられると贔屓の引き倒しみたいでイヤなんだけど、ここまで積極的に貶められると少し心がザワつく。お得意の数値とファクトで来られるとグウの音も出ないんだけどさ。出口さんには生前の杉浦日向子さんあたりと対談してほしかったなぁ(放送事故)。とか思うところがなくはないけど、もちろん歴史の教科書としては面白く、特に「○○の改革」や文化に関する説明は良かったと思う。2023/04/02
noko
6
大好きなシリーズ。日本史だが、世界との外交関係にも目を向けた、広い視野での日本がわかる本。今回は戦国と江戸。石見銀山で銀が沢山取れるようになり、山口大内の時代に。この頃の主役は銀だ。秀吉のキリスト教の扱い、朝鮮とのやりとり(宗氏の動き)をこと細かく説明してあり、勉強になった。ラッキーマン家康の江戸時代へ。江戸は何しろ飢饉が多すぎる。大きな戦争はなかったが、食べる物に困る時代。そして江戸では大火事。学校で歴史を習ったのに、知らないことがかなりあった。毎回新しい知識をくれるシリーズなので、次も是非読みたい。2023/11/15
すうさん
5
中世編に続いて今度は文庫を購入して読了。やはり出口治明の歴史の本はとても読みやすい。いわゆる近世は信長から始まるのだが、彼の天才的発想や行動が光る。後に続く秀吉や家康の行動は結局信長の模倣に過ぎない。次に江戸時代の評価は政治経済の面ではかなり低く感じた。確かに文化の成熟は民衆にまで広がっていったが、世界の潮流に目を向けなかった江戸時代は最低だったのかもしれない。本書の最終章で「数字・ファクト・ロジック」でそれを的確に論じている。これこそ出口さんの真骨頂たるところだと感心した。明治以降の講義も聞きたい。2023/04/27