内容説明
岩崎陽一は、銀座の高給クラブ「クイーン」の新米ボーイ。昼夜逆転の長時間労働で月給わずか15万円。生活はとにかくきつい。そのうえ素人探偵とは誰にもいえない。ライバル店から移籍してきた摩耶ママは同年代で年収1億といわれる。破格の条件で彼女の運転手を務めることになったのはラッキーだったが、妙な仕事まで依頼されて…。情けない青春に終止符を打つ、起死回生の一発は炸裂するのか。抱腹絶倒の傑作コン・ゲーム。
著者等紹介
楡周平[ニレシュウヘイ]
1957年生まれ。米国企業在職中の96年に『Cの福音』で衝撃デビュー、同作はたちまちベストセラーとなり、一躍脚光を浴びる。第2弾『クーデター』も話題を呼び、エンタテインメント界の次代を担う書き手としての地位を確立した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
289
軽快なテンポでサクサク読めます。3流大卒の主人公は就職難の中、銀座の高級クラブに入社、ボーイとして社会人に。死ぬほど働いても手取りは僅か15万。素人童貞なのに風俗行って性病をもらうわ、彼女(?)とはキスはおろか手も繋げない。そんなある日、クラブに新しいママがやってきた。自分と同年代なのに稼ぐは稼ぐは、軽く年収1億は下らない。そこから始まる怒涛のコン・ゲーム!荒稼ぎして、借金作って、裏切られて、大勝負に出る。ギャンブルみたいな人生はお断りだが、読む分には楽しい。ドロドロ感もないドストレートな娯楽作品‼️🙇2020/10/09
utinopoti27
155
銀座の高級クラブのボーイ・岩崎陽一は、ふとしたことからNO1のママさんに目をかけられて、ヤバい仕事に手を染めることに。一攫千金を夢見て、ショボい人生と決別すべく、彼が仕掛けたイチかバチかの大勝負とは・・。騙す者と騙される者、ひりつくような駆け引きこそがコン・ゲームの醍醐味なのだが、本作の展開はあまりに安直すぎて、やや興醒めの感がある。綿密な取材をもとにした経済小説に定評のある作者が挑む新機軸という点で希少性はあるものの、所詮餅は餅屋ということか。お金持ちになったつもりで銀座の夜を疑似体験したい向きはぜひ。2020/10/25
納間田 圭
137
月手取り15万のボーイのアルバイト男と…月収1000万超の美人ママが主人公。雰囲気は…あの松本清張さんの”黒革の手帖”を思い出す。銀座の夜に広がる光と影。虚栄心と金銭欲。男女の愛憎。そして…”だましあい”。一本何十万もする超高級ワイン🍷が…次から次へと空いていく。その高級ワイン中身すり替え作戦から始まる…次から次への極上フェイク。銀座の法則と侵しちゃいけないタブー。公営ギャンブルの傾向と対策。株の売買の考え方と鉄則。その辺の処は…ちゃんと勉強になった。それはみんな…弱肉強食、そして栄枯盛衰ということ2022/06/01
ユザキ部長
72
すべては金。金が人を狂わせる。主人公岩崎陽一は素人童貞でオドオドした性格はコツコツと水商売、夜の銀座でボーイとして安月給で働く。毎月1千万稼ぐ様なホステスがいる中で、自身とかけ離れた成功者の世界に夢を抱く。そのギラギラとした野心に好感がもてたが、脇腹が甘い。やはりあの女はおかしい。裏切りは必ずあると思った。この本は詐欺にスポットをあて痛快な所もあるが、彼女に対する落とし前に疑問。優しさなのかな?2014/05/06
再び読書
69
物語りの構成がわかりやすく、非常に読みやすく面白く感じた。最後どんでん返しを期待していたが、以外とあっさり終わった。2012/04/04