出版社内容情報
砒素、シェイクスピアの毒、サリン……。世界的な毒の権威が、毒と人の歴史をたどり、ときに闇の歴史の主役となった毒を、事件やミステリーなどの文学作品、歴史上の人物との関わりの中で平明洒脱に綴る毒の文化史。
内容説明
毒薬、毒にはショッキングなイメージがつきまとう。しかし、例えばアヘン(モルヒネ)は多くの人々を虜にし「アヘン戦争」を引き起こしたが、一方では鎮痛薬としての役割を果たしつづけている。負の方向に使うか、医薬などに有効利用するかを決めているのは人類なのである。魔女の媚薬からサリンガスまで、人と毒との関わりの歴史、麻薬や毒の陶酔のメカニズム、毒殺事件、文学作品に描かれた毒などをやさしく解説、毒薬の世界を俯瞰する。
目次
第1章 魔女と毒薬
第2章 陶酔へのアプローチ
第3章 神々の毒薬―心をうごかす毒
第4章 毒殺の社会史
第5章 ミステリーの毒
第6章 毒とは何か―毒性発現のメカニズム
著者等紹介
山崎幹夫[ヤマザキミキオ]
1931年、東京都文京区に生まれる。1954年、千葉大学薬学部卒業。1960年、東京大学大学院化学系研究科(薬学専攻)博士課程修了。薬学博士。国立放射線医学総合研究所主任研究官、千葉大学生物活性研究所教授、千葉大学薬学部教授を経て、現在、東京薬科大学客員教授
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感想・レビュー
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まさひーる
1
☆4 毒そのものについて書かれているのかと思ったら、毒(アルコールや麻薬も)と歴史の関わりにも大きくページが割かれ、意外な感じがした。毒への筆者の愛(?)が伝わる良書であった。2025/05/05
rain_squ
1
毒薬を歴史、フィクション、構造やメカニズム等いろんな角度で解説してて面白かった。 ミステリの中での毒薬をリアルに使うのがいかに難しいかみたいな話、魔女の話なんかが印象的だった。2024/04/30
猪名川透子
1
最初の方の歴史(特に麻薬関連)はちょっと小難しくて手こずりましたが、後半の社会史やミステリーがらみの話は興味深く読めました。2010/06/07
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