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角川文庫
鹿島茂が語る山田風太郎―私のこだわり人物伝

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  • サイズ 文庫判/ページ数 210p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043616022
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

内容説明

一大ブームを巻き起こした「忍法帖」シリーズから、晩年精魂を傾けた「明治もの」まで、幅広いジャンルで奔放自在な飛躍を見せた山田風太郎。「大学院生の頃、日本の現代小説にほとんど興味を失った私が唯一読むことができたのが風太郎だった」と語る鹿島茂が、小説という大ウソで読者を魅了した風太郎の真髄に迫る。風太郎作品から「東京南町奉行」「伝馬町から今晩は」も収録。「私のこだわり人物伝」シリーズ第3弾。

目次

第1章 風太郎の「大ウソ」と司馬遼太郎の「小ウソ」(司馬遼太郎の描く「ありそうな」世界;山田風太郎の描く「あり得たかもしれない」世界 ほか)
第2章 奇想天外!風太郎ワールドの住人たち(タイム・トラベラーのルール;山田風太郎ワールドとその住人 ほか)
第3章 歴史に仕掛ける大マジック(山田風太郎の方法論的小説;歴史アナグラムを解くおもしろさ ほか)
第4章 この世は「無意味な渦」(大ウソが創る「小説的真実」の世界;ピーターパンたらんと欲する ほか)

著者等紹介

山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
1922年兵庫県生まれ。東京医科大卒。47年『達磨峠の事件』で作家デビュー。49年『眼中の悪魔』『虚像淫楽』で探偵作家クラブ賞を受賞。その後、58年『甲賀忍法帖』を発表し忍法ブームに火を付けた。また、『警視庁草紙』等で、開化小説にも新領域を開いた。他にも『魔界転生』など秀作、名著多数。2001年没

鹿島茂[カシマシゲル]
1949年、横浜市生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。現在、明治大学教授。専門は19世紀フランス文学及び社会生活。『馬車が買いたい!』(91年、サントリー学芸賞)、『子供より古書が大事と思いたい』(96年、講談社エッセイ賞)、『職業別パリ風俗』(99年、読売文学賞)、『成功する読書日記』(2004年、毎日書評賞)など、多くの受賞作がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さきん

33
司馬遼太郎の作品は事実かと思えるほど、綿密な取材と研究の上で書かれているが、山田氏は、素人でも、まあありえないだろうとわかる設定で書かれている。しかし、その分、主人公へのキャラ作りが凝っていて、読者も主人公に重ねてストーリーに入っていくことができる。短編もひとつは、かつて失脚した奉行が明治時代の東京へ放浪する話と囚人蘭学者の高野長英が脱獄して周りから怖れられる話。2022/03/08

憲法記念日そっくりおじさん・寺9条

16
再読。以前はNHKのテキスト版で読んだ。フランス文学者鹿島茂の語る山田風太郎の世界は、風太郎ファンにとっては嬉しくなる内容。贔屓である事が誇らしくなる。何度も再刊される風太郎小説は鹿島さんの言う通りいつまでも地上に残ると思う。残念なのは、短篇が二本(『東京南町奉行』『伝馬町から今晩は』)収録されているが、鹿島さんが文中で言及した作品じゃないのが惜しい。『室町少年倶楽部』を併録すべきだったと思う。2013/02/24

雨巫女

8
山田風太郎といえば、忍法帖とかですが、私は、明治ものが好きです。2010/07/31

ひこまる

7
山風と司馬遼太郎の比較を川路利良の大便放擲事件からとっているところは笑えるが、それを踏まえた両者の小説技法の卓越さなどの解説は大変分かりやすかった。どちらも偉大な作家だが自分には山風の「大ウソ」の方が限りなく心地よい。同時収録の短編2作品もまた凄まじい作品で特に「伝馬町から今晩は」で地獄の家庭訪問を繰り返す高野長英の鬼畜ぶりに唖然としたw 理想に燃えた学者として描いた「長英逃亡」の作者吉村昭と山風の比較論も出来れば読んでみたいものだ。2013/02/13

山田太郎

7
評論は別にどうってことなかったけど、短編がえらく面白くてよかった。しかし、こんだけ薄い本なのにえらく高くないですか。2010/06/01

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