角川ホラー文庫<br> 合意情死

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角川ホラー文庫
合意情死

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  • サイズ 文庫判/ページ数 202p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043596058
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「熊」とあだ名される、いかつい容貌と体格の巡査。見かけによらず心優しく気弱な彼が、気の強い女房の目を盗んで、つかの間、抱いた夢の顛末とは―(「巡行線路」)。小学校教員、新聞記者、地方小劇団の座長、看守。偏狭な社会でちっぽけな権力をふりまわす木っ端役人、目立たないくせにどこか鬱陶しい地味女、誠実に見えて肝心なところで無神経な好青年…。思惑と欲望がうずまく小市民たちの葛藤を、滑稽と恐怖のなかに浮き彫りにした、名手による傑作短篇集。

著者等紹介

岩井志麻子[イワイシマコ]
1964年、岡山県生まれ。99年、短編「ぼっけえ、きょうてえ」で第六回日本ホラー小説大賞を受賞。また、同作に書き下ろし三編を加えた同題の短編集が、ジャンルを超えた質の高い作品性を支持され、第一三回山本周五郎賞を受賞する。恋愛小説『tr´aicay(チャイ・コイ)』で第二回婦人公論文芸賞、『自由戀愛』で第九回島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

77
いや、これはきつい。目立たないくせにどこか鬱陶しい地味女、誠実に見えて肝心なところで無神経な好青年……。岡山を舞台にそこに生息する小市民を描いた短編集。人間が主題のホラーというと殺人鬼や狂人が活躍するものが多いが、ここで描かれているのはそこかしこで生活している普通の人々。だからこそ読んでいると自分の内面にある小市民性やせせこましさをこれでもかと覗き込まされるような感覚を覚える。さらに何が嫌かってその小市民の行動に反発しつつ納得させられる所がとても嫌。いつ我々が主人公になってもおかしくない話ばかりでした。2021/06/22

坂城 弥生

51
明治頃の男と女絡みの短編集。「自動幻影」が特に好きだった。2022/02/02

えっくん

37
★★★★☆小学校教員、新聞記者、地方小劇団の座長、看守などのどこか小心者で姑息な男たちが、艶めかしい女たちに翻弄される5編の短編集。近代日本の岡山を舞台にした作品ですが、まさに志麻子センセの「ぼっけえ、きょうてえ」に近い暗澹とした世界観で、登場人物たちが語る岡山弁にも何か古めかしさを感じさせます。表向きは平常心を装いながら心の中は欲望に満ち溢れていたり、嫉妬だらけの男心が一番のホラーかもしれません。淫猥なタッチの表現力は志麻子センセのすごさです。お気に入りは物騒なタイトル名がついている表題作「合意情死」。2020/03/25

メタボン

28
☆☆☆★ ホラー要素はないが、ある意味で女の情念が恐ろしい短編集。「有情答語いろよきへんじ」の囚人の女が凄い。2022/07/08

ちょん

21
岩井志麻子さんといい原田マハさんといい…岡山の女性作家さんたち色強すぎで大好き♥️短編集でしたが最後の「有情答語」(いろよきへんじ)が1番好きでした。岡山弁いいなぁ、使ってみたいなぁ✨2023/05/08

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