内容説明
米国ニューメキシコ州にある長距離専門の陸上競技クラブNMAC。日本人が主宰するこのクラブの所属選手、エチオピア出身のジェシカ・エドルは、日本人選手アユミ・ハラダの異変に気づいた。アユミは夜ごと合宿所を抜け出し、呪殺の儀式を行っていたのだ。アユミがそこまで憎む相手とは誰なのか?彼女の口から明かされたのは、意外な人物の名前と衝撃の事実だった…。不可解な謎と巧妙な罠。驚天動地の傑作ミステリ。
著者等紹介
歌野晶午[ウタノショウゴ]
1961年千葉県生まれ。東京農工大学卒。88年『長い家の殺人』でデビュー。2003年に刊行された『葉桜の季節に君を想うということ』が「このミステリーがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」の第1位に選ばれ、また第57回日本推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞を受賞しベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
117
読友さんと約束したのに読むのが遅くなってしまった本作は、序盤こそ「お、妖しい雰囲気だ」とワクワクしたが終盤近くまではスポーツもののような内容で「ミステリとしては弱いかな?」と感じていた。が、最後に明かされる謎は想定外だったのに、シッカリ伏線も張られていて「なるほど!」と唸った。とは言え『葉桜の季節に君を想うということ』を超える程ではなく、歌野さんゆえ期待値が上がり過ぎていたかも知れない。主人公を始めとして人物造形が上手いし、物語としての練り上げも巧みなので読後感が好く、単なる謎解きミステリでないのが流石。2025/07/23
ダイ@2019.11.2~一時休止
82
トリックはイマイチな感もあるが、スポーツものとしては楽しめた。2013/09/02
takaC
68
これは必ず騙される。そもそもヒントすらないじゃん・・・2013/10/21
NADIA
50
トリックが秀逸と聞いたことがあり、前から読んでみたいと思っていた。違和感を感じながら読み進め、最後の種明かしでも、すぐには理解できなくて少し戻って読み返した。作者の思うつぼにはまったわけだ(^^; 作中の女性アスリートの身体能力アップに使われた禁じ手の手法は20年くらい前に東野圭吾の作品にも出てきたのだが、とてもリスクの高く、非人道的な方法であり、正直ここまでして・・・と感じる。選手と指導者の間のそのあたりの情熱の温度差が感じられた部分も興味深く面白かった。2018/08/08
鈴木拓
38
マラソンを題材とした本格ミステリーと言える作品だが、この展開は見事だ。誰が本当のことを言っているのか、誰が騙されているのか、そんなことをあれこれと考えながら読んだのだが……。何かを追求し続けるあまり、いつの間にか心に罅が入ってしまうことがある。手が手が遅れると、それは大きな裂け目となり、誰かの人生をも巻き込んでいってしまう。結果を求めるアスリートの世界とミステリーを絶妙なバランスで融合した良作だった。2023/01/20
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