出版社内容情報
僕は死人の香りに興奮する──渾身の倒錯的エロティック・ホラー文庫!
柏木はハンサムな若き香水調合師にして──連続殺人鬼。命を失ってから数時間にわたって皮膚から立ち上る“その香り”に包まれながら、殺した女を犯すことが、彼の至上の喜びなのだ──!!
内容説明
柏木はハンサムな若き調香師。彼の調合する香水を求め、店には多くの婦人たちが訪れる。だが柏木には大きな秘密があった。彼は調香師にして―連続殺人鬼。命を失ってから数時間にわたって皮膚から立ちのぼる『その薫り』に包まれながら、殺した女を犯すことが、彼の至上の喜びなのだ―。だが今までで最高に惹かれる『その薫り』の美少女・レイナと出会った時、禁断の悲劇が幕を開けた…!倒錯的エロティック・ホラー。
著者等紹介
大石圭[オオイシケイ]
1961年、東京生まれ。法政大学文学部卒。93年、『履き忘れたもう片方の靴』で第30回文藝賞佳作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
53
圭さん、3巻目。9人?10人?何年も前からの殺人なのに、一杯証拠となるものを残しているのに捕まらないシリアルキラー。エロだし殺人を犯すし・・でも主人公に汚らしいとか変態だとかの言葉が似合わなくて、哀しいねぇと囁いてあげたくなる。ねぇあなた「その香り」さえもちあわせてなけりゃ殺されなかったのに、と主人公を庇うセリフがポロっと・・。「その香り」を持たず、彼女達からみたら太めのおばあさんのやっかみよ(^^;。さぁ次の圭さん作品はどれがいいかしら。今の処ハズレ無だもの2018/04/30
mr.lupin
50
さらなる「その薫り」を求めて、次々と殺人を繰り返す調香師の柏木。「その薫り」を掻き分けここまで匂いに執着すると言うのは、正直訳がわからない。それと、自分だけのオリジナルの香水を作ってもらうのに、服を脱がなくてはいけないとか、もう中身がどろどろのめちゃくちゃだったような。しかしそんな作品でありながら、読みやすくついつい没頭してしまうのは、やはりさすがの大石作品だと思う。「その薫り」とは、どんな薫りなんだろうか? ☆☆☆★★2020/12/11
じゅんぢ
25
今まで、たんたんとした終わり方のイメージの強かった大石作品だが、今回は色々と終わり方に工夫がみられる。年がら年中、鼻のつまっている自分としてはよく分からない世界だと思った。2018/04/21
kikuchista
21
ホラーを読みたくて読んだ。一風変わったシリアルキラーの話。香りについての知識が散りばめられているのが良い。2017/06/22
キー
16
大石圭氏の、シリアルキラーをテーマにした作品の一つ。2011年刊行。 殺人鬼が美青年という設定は以前に『殺人勤務医』で読んだ設定、屍姦という設定も以前『死人を恋う』で読んだ設定。かといって、既視感だらけのつまらない物語ということはなく、主人公の殺人鬼が『香り』を求めて女性を殺すという設定が加わると、耽美的かつ猟奇的な雰囲気になり、どこか、昭和初期の変格派探偵小説を読むのと似た味わいさえありました。個人的な好みで言えば、大石圭作品の中でも上位の作品でした。2017/10/30