内容説明
ロッキード事件、リクルート事件、ゼネコン汚職事件、そして証券金融業界の利益供与事件。戦後史に残る数々の大事件を手がけ、「史上最強の捜査機関」の名をほしいままにしてきた東京地検特捜部。いま、その特捜神話が崩壊しつつある。強大な権力の集中、独自捜査のおごり、特権意識の蔓延、危機管理意識の欠落、組織の弱体化と、多くの問題を抱える検察の内部で何が行われていたのか。「検察の正義」という美名と「過去の栄光」の陰に巣くう病理の深層を抉り、あるべき検察の姿に初めて肉迫したノンフィクション。
目次
第1章 最強捜査機関のレベル低下
第2章 無謬神話の崩壊
第3章 平和相互銀行事件の真相
第4章 ロッキード事件の幻影
第5章 法整備と組織の再構築
第6章 警察との関係と共同責任
第7章 検察官の責任と競争
第8章 検察の光と影―関係者の証言
終章 国民の視点からの改革を