角川文庫 角川ソフィア文庫
耳袋の怪

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  • サイズ 文庫判/ページ数 240p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043490035
  • NDC分類 914.5
  • Cコード C0193

内容説明

鳩を逃がして「残念なり」と物を言う猫、妖怪も逃げ出した稲生武太夫の豪傑ぶり、生前の恩を謝する幽霊、二十年を経て厠より帰ってきた夫―今も昔も、怖い話は噂になりやすい。巷の奇談を書き留めた『耳袋』には、怪異譚が数多く収録されている。『耳袋』の中から怪異譚を抽出し、わかりやすく現代語訳で収録した奇談・珍談満載の世間話集。

目次

其ノ壱 物怪、妖怪のうわさの怪
其ノ弐 幽霊の怪
其ノ参 憑き物の怪
其ノ四 動物の怪
其ノ五 植物の怪
其ノ六 怪異のうわさの怪

著者等紹介

根岸鎮衛[ネギシヤスモリ]
1737‐1815年。江戸時代の幕臣。1758年に根岸衛規の養子となり、根岸家を継ぐ。のちに、評定所留役、勘定組頭、佐渡奉行、勘定奉行を経て1798年に南町奉行となり、17年間勤務。同僚や古老など、知人の話を丹念に書き留めた『耳袋』には、怪異譚だけではなく、教訓話や庶民の風俗などさまざまな巷説が盛り込まれている

志村有弘[シムラクニヒロ]
1941年、北海道生まれ。1968年、立教大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、相模女子大学教授、二松学舎大学講師、同大学院講師。国文学者
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感想・レビュー

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KAZOO

96
岩波文庫版の三冊の耳嚢を読んでいるのですが、やはり時間がかかりはかがいかないので、このような現代語訳(抄訳)を読んでしまいました。現代版の新耳袋もすべて読んでいるのですが自分でも情けなくなります。楽しい話がいっぱいで私は好きですね。全体はあまり面白くもない話があるのでこのような本が出たのだという気もします。甲子夜話も同じで1巻目から全然進んでいません。2024/02/05

花乃雪音

21
江戸時代、佐渡の奉行根本鎮衛が蒐集した巷説を書き留めた『耳袋』を現代語訳して奇談に特化した1冊。作者が生きた寛政・享和・文化(1781~1818)と同時代の話が多く、『稲生物怪録』に近い話になる「芸州引馬山妖怪の事」と「怪棒の事」がある、これらがこの時代であることをまた「皿屋敷」「四谷怪談」「累ヶ淵」が本書に挙がってこないことで時代が違っていることを強く感じた。2023/07/07

majsan

21
ほとんどの話は簡潔で、聞き書きの形式をとっているところが面白い。宮部みゆき氏の「霊験お初捕物控」シリーズも読んだので、作者の根岸鎮衛氏、本人に興味を持ってしまいます。どんな心持ちでこの耳袋を書き溜めたんだろう。また、現在の技術で、どのくらいの&どのような問題が解決できるのかしら?...とふと思いました。2013/08/11

クナコ

15
初読。「新耳袋」の元ネタ、江戸時代の御奉行根岸鎮衛が町の噂話を収集編纂した説話集。本書はそこから怪談・奇談に分類されるものだけを採り現代語訳で紹介している。説話は昔話ではなく、同時代の話に限るのでまさに江戸時代の実話怪談集となっている。編者の趣味で個人的に収集されたようだが、怪談の類に関しては頭から信じ込んでいたわけでもなくなかなか冷静な分析も見られ、興味深い。ちなみに現代なら幽霊を見たならば逃げるか気絶するかするが、江戸時代の武家人の場合には「化生の者め」と斬り捨てる選択肢があることが何やら面白い。2019/02/15

Kouro-hou

11
主に怪異譚を中心に現代語抄訳された耳袋。江戸の実話怪談なわけですが、あっさり風味で変に技巧をこらしてないところが良いです。庶民の風俗モノとしても楽しい。現代からすると魑魅魍魎が渦巻いてそうな江戸時代ですが、「今のご時世に狐狸の類なんかいるわけないだろ」と飛び出していく人物に吹きました。いつの時代も変わらないもんですねえw2014/02/21

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