内容説明
高校の生物学でも動物植物の分類学を含め、生理学、生化学、また最近注目の分子生物学や、分子遺伝学などの一部までかなり幅広く教える。そこには物理や化学の知識も必要になってくるし、ややこしい数学や統計の計算も少し入ってくる。ただ生き物の大きな特徴の一つは、必ずしもすべて割り切れる結果にならないことである。たとえば、物理的なことならほとんどのものは計算式で表わすことができる。その点、細胞や組織などの生き物の場合は、むしろ割り切れないことも意外と多い。しかしそこがまた面白く、魅力的なところである。本書は、その「生き物」の面白さ、不思議さに焦点をあてデジタルでは説明できない神秘を解き明かす。
目次
春(花の香りの不思議―香りを作るメカニズム;モンシロチョウの花嫁衣装―雌雄を区別するメカニズム ほか)
夏(コウモリと蛾―知られざる超音波の世界;味を変える赤いミラクルフルーツ―ミラクリンの活性作用 ほか)
秋(ジャコウアゲハの不思議な習性―産卵物質を見つける巧妙なメカニズム;鳥の渡りと星―夜空のエンジェル ほか)
冬(初めて見た染色体―遺伝子を乗せている小さいひも;木に登るオオミズナギドリ―繁殖のための涙ぐましい努力 ほか)
著者等紹介
渋谷達明[シブヤタツアキ]
1949年都立青山高等学校卒。1953年東京教育大学(現筑波大学)理学部生物学科卒。1958年東京教育大学大学院理学研究科・理学博士。1958年群馬大学医学部助手。1961年アメリカ・フロリダ州立大学客員研究員。1965年群馬大学医学部講師。1967年東京教育大学理学部助教授。1974年筑波大学生物科学系教授。1991年日本味と匂学会会長。1994年筑波大学名誉教授。1994年日本比較生理生化学会吉田記念賞。1994年嗅覚味覚研究所所長。2001年日本味と匂学会賞
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