内容説明
「神は死んだ」「ニヒリスト」「超人」等、幾多の刺激的な啓示を遺して散った巨人ニーチェ。徹底的な西欧文明批判に始まり、詩であり友であったワーグナーとの別離、そして永劫回帰説から生のディオニソス的肯定へと続く彼の思想は、現在もなお色褪せることなく燦然と輝いている。躍動感あふれる彼の哲学的叙事詩の全体像を分かり易く体系的に捉えた本書は、まさに若き人々に贈る格好のニーチェ入門の書である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
136
ニーチェの作品の中から『悲劇の誕生』『反時代的考察』『人間的、余りに人間的』『曙光』『悦ばしきかな知識』『ツァラトゥストラ』『力の意志』より抜粋した言葉によって本作を編み上げている。はっきりといって自分には難解すぎて彼の思考についていけない。冗談半分にいえば、何せ半分あちらの世界へ行ってしまっていた人だから、思考力が常人に理解できない範疇外にあるのだろう。ただ何となくニーチェに発する熱い思いだけは伝わってきた。2016/09/06
優希
44
ニーチェの哲学を若い人向けにわかりやすく書いてるなという印象です。言葉としてはとても意味が深く、生というものの肯定が大きいと思います。名言集みたいな感じなのでサラリと読めますし、入門としては最適でしょう。ここからニーチェの哲学を広げていっても面白いかもしれません。2014/07/22
寛生
21
かなりよかった。魂が揺さぶられた言葉の数々。すごい本。ニーチェは凄いです。2013/07/04
双海(ふたみ)
19
どうせニーチェなんぞ日本語訳で読んだところでわかりゃしないんだから…と思って目次を見て興味を抱いたページだけつまみ食いしました。例えば「アナーキストについて」「教養俗物」など。2014/08/01
吉野ヶ里
16
そろそろ若き人々枠がキツくなる年齢でしょうから、積ん読を処理。19世紀後半の大思想家ニーチェの本からいい感じの箇所を切り貼りした大胆な本。前期ニーチェはショーペンハウアーの影響を受けたらしい。ニーチェのアフォリズムは単語レベルでまったくわけわからんことも多い(「デュオニゾス的」「力への意思」など)が、身に染みるように同意できる文章もある。この一冊ではなんともいえないよねって感じ。詩集みたいな読み方しました。世間に同調するだけでふわっと存在する現代道徳に流されず、自分自身で求め続けなさい。2020/05/16
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- 和書
- 昭和よ、