内容説明
誰からも愛されていた仲良しの兄弟のチャーリーとサム。チャーリーが１５歳のある夜、２人は自動車事故に遭い、死地をさまようが、兄のチャーリーだけが生き返った。彼は亡くなった弟の魂を守るために、墓地の番人となる。それから１３年後、毎日弟の幽霊と同じ時間、同じ場所でキャッチボールをしていた彼の前に、不思議な女性が現れて…。全米ベストセラーとなった傑作スピリチュアル・ファンタジー。映画原作。
著者等紹介
シャーウッド，ベン［シャーウッド，ベン］［Ｓｈｅｒｗｏｏｄ，Ｂｅｎ］
ロサンジェルス生まれ。ハーヴァード大学を卒業後にオクスフォード大学へ留学。その後ジャーナリズムの世界に身を投じ、１９９７年に『ＮＢＣナイトリー・ニューズ』のシニア・プロデューサーとなる。『ニューヨーク・タイムズ』『ワシントン・ポスト』『ロサンジェルス・タイムズ』等に記事を寄稿しつつ、２０００年に『ぼくは７４７を食べてる人を知っています』（ソニー・マガジンズ）で作家デビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
80
切なさと感動が染み渡ります。仲の良い兄弟が事故により、生と死という運命に巻き込まれるのが痛みとして刺さりました。弟を想い、魂を守ろうとする兄の姿は、後悔の念を抱いていたからでしょうか。ずっと何かに縛られているような気すらします。成長した弟が現れた時にようやく全てから解き放たれたように思いました。事故から止まった時が動きだす瞬間が兄弟の救いだったのかもしれません。2017/05/05
すけきよ
3
野球が大好きという国民性もあるのかもしれないけど、キャッチボールという行為が、あちら側とこちら側を繋ぐメタファーになっている。しかし、『フィールド・オブ・ドリームス』にとってグラウンドは一種の天国なんだけど、この作品では煉獄のような存在なんだよね。だから、死んだ弟との心温まる交流も、実は、お互いを縛り付けている残酷な鎖ということが分かってくる。様々な縛めがある中、一見、チャーリーが救われる作品に思えるけど、実は彼の選択が境界線上を漂う三人を救うことになる。2011/01/09
うたまる
2
ちょうど半分くらいまでは引き込まれ一気読み。しかしここから急速にペースダウンし、うだうだうだ……。速さや距離の制限を受けずに移動できるなら、さっさとサムに見つけてもらえばいいのに、と思ったが、それは登場してすぐにスペシウム光線を撃て、というのと同じくらい無粋なんだろう。という訳で名言を……「すべてのことについて人間の人生に、決定的なときなどないのさ。すべての行動についても、頃合などない」2012/02/25
ケイト
2
個人的な想いとして、兄弟のやりとりをもっとたくさん出してほしかったのですが（スミマセン、大好きなもので……）、でも不満に想うほどのことではなく。それに最後、サムが成長してあらわれチャーリーがそれをよろこぶ場面では、ふたりがすべてからときはなたれていたそのさまに感動してしまいました。舞台となった港町の潮の香りさえ感じられて、素晴らしかったです。風景とともに心に残る、いい作品です。2011/03/11
透
2
まさかそんな結末!?なんてちょっと不安になったけれど、良かったかな。でもやっぱり人が亡くなる系の話しって少し切ない。2010/12/22
