内容説明
最終戦争により人類は滅び、焼けただれた大地が残った。その荒地を進む生存者が1人。名はイーライ。人間社会復興の鍵となる“本”を守り、西へと運ぶ使命を背負った男。やはり“本”の価値を知り探していた、無慈悲な支配者カーネギーが行く手に立ちふさがったとき、イーライの闘争本能に火がつき、すさまじい戦いがはじまる。“本”とは何か?そして、人類の未来はどうなるのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
市太郎
29
映画の方を観たので、流し読みで。というか、初読みだと思っていたら再読であった。前回の事は全然、覚えていないのだけど。今回は(映画)「昔は捨てられていたものが、今は貴重品~」という場面が心に残りました。無意識に雑に使い捨てているものの価値を見直したいと思います。映画を観るとエンゼル・ワシントンがかっこよすぎて、聖書を読んでみたくなる。というか、あんな分厚い本を抱えて旅をするなんて、読書家の夢ではありませんか! そして文字、本そのものよりも言葉の力の方が大事と。精読の大切さを痛感しました。2021/06/27
藤月はな(灯れ松明の火)
16
放浪者の歩みと思い、荒廃した世界に「本当に大切なものは何か」と言うことが問いかけられた作品。昔は気にも留めないおしぼりやシャンプーなどの消費物に喜ぶ姿など、そこに込められた皮肉と哀切さで身に詰まされる場面も多々、ありました。あの「本」がまさか、そんな使われ方のために求められていたとは思いもよらなかったです。この本を読んでなぜか「華氏451度」、「キノの旅」を思い出しました。良作です。2011/09/08
空崎紅茶美術館
11
映画は公開初日に観てきました。荒廃した世界で、30年間ただ本を運ぶためだけに歩き続ける男の物語。最後のひねりが本当かどうか分からなかったので、確認するつもりで読んでみた。映画でも、主人公の驚きの設定を推測するための伏線っぽいものはあったけれど、やっぱり矛盾点がでてくるので、雰囲気だけ醸し出して断定はされない描かれ方になったらしい。なるほど。それにしても、世紀末ものは暗い…。「本」の正体は重要じゃない。信じる者は救われるかどうか。本を捨てて道を進んだ者と、本を得て街に戻った者との対比が少し皮肉。2010/07/23
チェブラリー
4
ちょっと前に読んだロードとは違うものの、まぁ世紀末物ですねぇ。2010/05/27
いぬすけ
3
再読。こういう世界観嫌いじゃない。世界が崩壊してすらキリスト教第一主義なのか、、とは思うけど。2016/10/15
-
- 電子書籍
- 資本主義と倫理―分断社会をこえて
-
- 和書
- 睡眠文化を学ぶ人のために