内容説明
「母さんが有紀を愛していることだけは信じてください」最後の言葉を残し自ら命を絶った母・静子。その葬儀、父の再婚、継母との新生活と相次ぐ波のなかで、小さいけれど鋼のように強い有紀のこころは揺さぶられる。突然吹き抜ける実母との思い出、母の愛に包まれた友人の存在、やがて訪れるささやかな恋の芽生え…。十代の少女が一瞬放つ匂うような美しさと、みずみずしい感性に四季の花々を散らし、人生の本質にさりげなく触れた秀作。’93年「ニューヨークタイムズ」紙年間ベストブック。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アリス
14
親の大切さを感じ取ることが出来た。自分も死ぬときに後悔しないように今のうちにしっかりと親を大切にしたい。2024/02/15
Mayuko
3
静かに心に残る文章。2011/04/02
さやか
3
前と後ろと横、全て違った愛の悲しさと我が儘さがある気がする。文章が綺麗。
AYA
2
母を亡くした少女、妻を亡くしてすぐに他の女性と結婚した父親、不倫の末に結婚してもなお夫の前妻から逃れられない継母。様々な登場人物たちの"日々"が、鮮やかな神戸の色彩と共に語られる。愛を乞い、同時に愛を拒む少女が、自分の人生を生きるまでが繊細に描かれた作品。2021/10/20
くにごん
2
有紀の成長と、母、静子の死にまつわる父や祖父母との関係や義母とのやりとり。派手さはなく淡々と進む日常の中で、お互いの心の葛藤が凄く、有紀の強さが滲み出ていた。大人になって少しずつ柔らかくなって、幸せが見えてきていたのが心の救いだった。2021/11/28