内容説明
世界中で読みつがれるベストセラー『星の王子さま』を生んだサン=テグジュペリ。彼は満たされぬ愛を大空への挑戦に注ぎ、その漂白する魂は44歳で飛び立ったきり、二度と地上に戻らなかった。幸せな少年時代は、愛する弟を亡くしたことで終わりを告げる。だが、その頃から抱いていた飛行士への夢は生涯捨てず、幾度もの過酷な試練や墜落、そして、癒されぬ孤独と戦いながら、彼は空を飛び続けた。またその人生は、魅惑的で激情家の妻コンスエロとの狂おしい程のラブストーリーでもあった。―衝突し、すれ違いつつも、どうしようもなく惹かれ合う二人…。孤高の冒険家の魂の軌跡を描く伝記文学の傑作。
目次
庭園の五人の子どもたち
「わたしは木の歌を聴く」
死を見据えて
フランソワ王の愛妾
徹底した思想教育
「帽子の遍歴」
空はわれらのもの
ベルリンの陰謀
松の木立の陰の白い家
フランソワの死〔ほか〕