角川文庫<br> ゲット・ショーティ

角川文庫
ゲット・ショーティ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 441p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784042692027
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

「おれの目を見ろ」の一言で相手をすくみ上がらせるマイアミの高利貸しチリ・パーマーは、飛行機事故で死んだ男の遺族から金を取り立てることになった。ところが、男は死んでいなかった。手に入れた保険料を元にラス・ヴェガスで大儲けをし、ロス・アンジェルスに高飛びしていたのだ。チリはマフィア顔負けの悪が跋扈するハリウッドに足を踏み入れた。そして、ひょんなことから借金を抱えた映画プロデューサーと組んで一山当てることになるのだが…。巨匠レナードが描く、最高にクールな悪党たちのハリウッド・ドリーム。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

291
この小説は、ガーディアンの必読1,000冊の中にあって、ドストエフスキーなどとも並置されているのだが、およそそれらの対極にある作品だ。そのあり方のすべてが、きわめて大衆小説的(けっして貶めて言うのではない)であり、ギョーカイ的である。小説の舞台がラスベガスを経て、ロスアンジェルスに落ち着くのも故なしとはしない。映画に関する薀蓄(というよりは、もっとサラッと語られているが)をさりげなく鏤めながら、シナリオのごとくにプロットは進行してゆく。登場人物たちのキャラクターも、彼等相互の関係もまた映画的というべきか。2016/04/19

ケイ

128
全くどんな内容か知らずに読む楽しさを味わった。最初のチリ・パーマーとレイ・ボーンズとのやりとりからは、もっとドンパチとか報復の応酬などを想像していたが、あれれ、話はそこへいくのかと。登場人物達は、みんな一筋縄ではいかない人ばかりなのに、どこか滑稽で憎めない。この作者の他の作品では、描かれ方に不満だった女性ならではの性格の柔らかさが、ここではすごく魅力的に見えた。キャレンの台詞がどれも、ふわふわしているようでも彼女なりのテオリーが感じられてすごく好き。いいキャラといえば、ベアも最高。こういうの、好きだなあ。2016/10/22

こーた

103
あいつはじっと見ているだけなんだ。金を返さねえと腕の骨をへし折るぞ!なんてことはぜったいに言わない。これは映画じゃないからな。おれの目を見ろ。ただそう言うと、あとは黙ってこっちを見ている。あの目は本物だよ、あのチリ・パーマーって男の目は。ところで、あんたのはなし、すごく気に入ったよ。けど映画にするならもっとシンプルにしたほうがいい。大手のスタジオに売りこみたいなら、なおさらだ。何しろあの連中ときたら年中忙しくて、時間は限られているからな。連中は決まってこう言うんだ。できるだけ手短に話してくれ、てな。2017/12/24

まふ

101
映画好きの人のために書かれた「大衆小説」。マイアミの高利貸チリ・パーマーは取立ての都合でハリウッドにまで足を伸ばすが、そこで知り合った映画プロデユ―サーのハリーと雑談しているうちに映画を作る計画を練る。脚本、俳優などがアイデア段階から少しづ骨になりクライマックスへと盛り上がってゆく過程などが最後まで続き、映画を作る手順が実例で説明されるような物語が展開される。映画好きのファンには映画はこのように作られるのだと教えてくれて、勉強になるだろうと思うが、私にはやや退屈だった。G1000。2023/09/07

NAO

85
ブルックリンの高利貸チリが訳あってハリウッドに。映画愛が高じて、映画製作への思いを抑えられなくなる。まったくの無能なプロデューサー・ハリーといい、業界の裏で行なわれていることといい、この作品には、映画業界に対する痛烈な批判が込められている。業界を痛烈に批判しながらも、この作品には、映画愛が溢れている。売れないプロデューサーに自分のアイディアを切々と語るチリ、『ラヴジョイ』への執着を語るキャットレット、チリとキャットレットがどちらの方が映画に詳しいかを競い合うシーンなど、たまらなく面白い。2021/03/12

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