内容説明
8年ぶりに踏む娑姿の土。だがラニアンの自由への甘い期待は瞬時に崩れ去った。出所したその日から、得体の知れない人間どもがつきまといはじめたのだ。記者を自称する女、保険会社の調査員、“組織”の男、そしてひたすら彼を亡き者にしようと狙う謎の男。ラニアンは知っていた。彼らの狙いはダイヤ、200万ドルのダイヤなのだ。8年前、逮捕の直前に彼がひそかに隠した“宝”である。隠し場所は彼一人しか知らない。だがそれを突きとめられた時、彼の命運も尽きる。ラニアンはタフな身体と頭脳を駆使して、闘いに乗り出す。MWA長編賞候補の力作。