感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
67
キャラクター総登場のシリーズ大団円。サスペンスはシリーズ屈指といえる。ペックに、ラーソンに、スカッケに、テロリストの魔の手が迫る。全員がいきて結末を迎えることができるか最後まではらはらした。読み応えのある最終巻。このシリーズは5作まで新訳で6作から旧訳で読んだがどちらも素晴らしいと思った。1作から5作までを旧訳でも読んでみたいとも思いました。旧訳は、英語訳からの重訳で、70年代のアメリカンニューシネマ的な、もしくは、集団ダーティハリーみたいな感じがして結構好きです。それはそれであの時代の空気を伝えてくれる2019/06/30
きょちょ
27
最終作。シリーズの大きな特徴の1つは、個性的な刑事たちを登場させること。反りが合わない刑事たちが互いを理解し認め合っていく10年。何と長くそして素敵な10年だろう!最後の敵は国際的テロリスト集団。1965年からの作品なのに、まるで現代のテロの多さを見据えているよう。作者たちが延々描いていたスウェーデンの退廃を、テロリストの事件と全く関係ない銀行強盗や殺人と組み合わせるのには感服。最後を刑事たちがそれぞれの場所で終わるのも素敵。この作品は★4だけど、全体として★5を作者たちに捧げます。ありがとう。★★★★★2016/11/03
むーむーさん
16
http://bookmeter.com/b/4047910902 の表紙のハードカバーで読んだけど登録数が多い此方で。すごく面白かった。シリーズ最後だというのが寂しい。ネタバレかもしれないが、アールベリが名前すら出てこないのは寂しいなと(そういえば密室?で主人公が列挙した友人の中にも出てなかった)。「この男の言動に慣れるのに5年間かかった、と彼は内心 考えていた。さらに5年間かかって、やっとこの男がわかってきた。もう5年間たてば、われわれはきっとお互いに好きになれるだろう」いい台詞だなー。2015/08/06
みやび
10
10作目。十代で妊娠し、お金を都合してもらえると勘違いしたレベッカは、なんと銀行強盗の罪で裁判にかけられる。そんな社会からも家族からも放置された無知な若者の怒りから描き、外交のため国際テロリストから国を守る命がけの刑事たちに移る。外からの敵を防いだって内に育ってるんだから虚しいな。それでもベック班最後の勇姿と、それぞれの家族・恋人・友人との愛も感じられて、しみじみした最終話でした。2021/08/14
M H
10
シリーズ最終作。珍しく最初から通して読んだから感慨深い。というかぜひとも順番に読みたいシリーズだ。徐々に熟成、変化していく人間関係が最高で、主要キャラはだいたい好きになってしまう。内容的にも後半に面白い作品が多かった気がする。ベストは「密室」かな。この最終作も仕掛けがハマっていて好き。サスペンスとしても盛り上がるし。 新訳が数作出ていたが、残念ながら途絶してしまった。旧訳もとても読みやすいから気軽に手に入るといいんだけど。2017/12/17