内容説明
満員電車の中で発生した殺人事件。被害者のポケットからは、ニコチンの塗られた針が無数に刺さったコルク球が発見された。群衆ひしめく巨大なニューヨークで続く第2、第3の大胆な殺人にも、目撃者はいない。この難事件に、聴力を失った元シェイクスピア俳優ドルリー・レーンが挑み、論理的で緻密な謎解きを繰り広げる。20年ぶりの決定版新訳でよみがえる、本格ミステリの不朽の名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
415
かなり大胆に手掛かりが散りばめられ、それらをロジカルに収斂していく解決編のカタルシスが凄まじい。意外な犯人、計画性の高い犯行、そして捜査経過の描写を退屈させない工夫と、傑作になるべくしてなった一作。ドルリーレーンが新訳でどのように描かれるかを楽しみにしていたが、とても若々しくてダンディ。ただし倫理観ダルダル。そこは安定。どう考えても第2の犯行は防げた筈が、知的欲求を満たす事優先&それでは小説として短かいという大人の事情で死体が増えていく。しかしあのタイミングでの解決だからこそレーンのデビューは華々しい。2016/09/15
Kircheis
271
★★★★★ 超有名な「レーン四部作」の一作目。 主役のドルリー・レーンが、60歳であるにもかかわらずカッコ良く描かれており、更に性格の良さも持ち合わせている点が魅力的。 3つの殺人いずれも運要素が強い(特に2つ目)のが突っ込みどころではあるが、種明かしシーンのロジカルさはカタルシス満点だ。 自分は『Yの悲劇』派ではあるが、本作もミステリ好きなら必読の一冊だろう。 というか、四部作全部が必読かも(笑)2019/09/24
nobby
156
角川文庫新訳版で再読。5年経ってほぼ覚えていない健忘に感謝(笑)市電に船にと交通機関で起こる連続殺人。分かりやすく思えて混迷を極める犯行は明かされてみれば実に計画的で極めて壮大!「知りもしないのに知ったかぶりをする男」と自虐するレーンのもったいぶった推測と、なりふり構わず猪突猛進な警察の陳腐さの対比が面白かった。気付いてみれば真相全てロジカル解明されてるのはスゴい!そこからようやく導き出された真犯人の名前を目にしたり、直接対峙して尚「えっ!?」と思わされる衝撃!ラストで分かる“X”に余韻味わえるのがいい♬2021/12/15
ぽんすけ
123
最後の種明かしで全てが明らかになって犯人がわかるのが最高に気持ちいい。わかってみればこれほど理路整然と犯人に至る一本の道が示されてるのに誰が真犯人か全然わかんなかった。中学生の時に読んでめっちゃ面白いとなったのが何十年も経ってから再読して同じ感想に至るとはwしかしレーンさんのもったいぶった感じは、慎重通り越してサム警視とブルーノ地方検事を随分と苛立たせてくれたわ。もう少しヒントを事前に教えてあげてもよかったと思うの。二人は頭脳派というより行動派だから。演劇スターらしい探偵ぶりで続きを読むのが楽しみである。2025/05/14
stobe1904
123
【ドルリー・レーンシリーズ①】数十年前に読んでいたが、ふとしたきっかけで再読することになった作品。100年近く前の作品だが、新訳のためか古臭さを感じることなく古典的な名作ミステリを堪能した。丹念にめぐらせた伏線と回収、論理的な解明など、どこを取っても素晴らしい作品。次はYの再読かな?★★★★★2024/02/27




