感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Auristela
3
血の問題になってきたところらへんから自我がムクムクっとくるかと思ったけど、やっぱり時代も環境も違えば、この小説の力強さみたいなのを感じきれなくて残念。2016/08/30
keroo
1
全編じわじわしたローテンションなのに、コアにぞっとするほどの熱気を宿している、この熱の感覚がすごい。メキシコからキリスト教を排除し、元来メキシコに存在した翼ある蛇ケツァコアトル信仰を復活させようと革命を起こす男たちと、その信仰に反撥しつつも徐々にのみこまれていくアイルランドの年増の女。自我を膨張させすぎたことで、醜い不幸にはまってしまっている西欧の女たち。エゴを男たちに捧げることによって本物の性の平穏と自由が得られるかもしれないと期待するケイト。めまいを誘う南米の空気とホモエロスに満ちた官能。2014/03/01
canabi
0
28ー20212021/04/24
毒モナカジャンボ
0
ようやく事態が動き始める。ケイトは延々とイギリスに帰る!→やっぱメキシコに残る!のループを繰り返すヒス野郎で、それはヨーロッパで培われた自我=血の独立と共通の精神という価値観が、メキシコの相反する価値(共通の血、精神の独立)に当てられて分裂しているから仕方ないのだが、それで最後までいったのですごい。後半唐突に挟まれるダイジェスト内乱は笑ってしまった。ラモンがケイトの見せる態度に応じて英語とスペイン語を使い分けるのは良く出来ているし、ラモンは言語ごとに特有の血を見て取っている。紋切り型が上巻よりは少ない。2019/08/31
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