感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
拓也 ◆mOrYeBoQbw
19
長篇歴史ロマン。古代ギリシアのカルタゴを舞台に、女神官サランボウと、聖布を略奪した傭兵隊長マトウの愛憎を中心に描くフローベールによる歴史劇です。歴史考証に拘ったフローベールらしく、本筋以外の描写や小物、失われた北アフリカの異神など情景が鮮やかに浮かんできます。映画『ベンハー』『グラディエイター』や、あるいはR.E.ハワード『コナン・サーガ』の世界そのもの。『感情教育』『ボヴァリー夫人』が高評価のフローベールですが、血沸き肉躍る歴史ロマン(+純愛)を書いてる事も注目して欲しいですね(・ω・)ノシ2018/07/11
kroon@きろん
3
1998年読了。古代海洋国家・カルタゴを舞台にした、女性神官:サランボオと、カルタゴ軍将軍、敵の傭兵隊長のドロドロ三角関係を描いた歴史ロマン小説です(漫画になりそうだ)。シュールレアリスムの旗手、と謳われたフロベールの『ボヴァリー夫人』後継作。 この表紙の前後巻は、現代仮名遣いではありません(い が、ゐ です)