内容説明
年商三兆円の日本を代表する自動車メーカー東京自動車とその典型的系列メーカー大成照明器の社長交代期に、経営権をめぐって水面下で激しい攻防戦がくりひろげられる。―系列ってなんでしょうか。―そんなことは決まっている。永遠なるコストダウンの保証、大企業としては景気変動の下支え、つまりクッション…巨大自動車メーカーの輝かしい成長の陰で踏みつけられる系列メーカーの屈辱を通し、利益収奪産業と呼ばれる自動車産業の構造的矛盾を暴く傑作企業長篇小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モッチー
2
自動車業界を知るのにお勧めの本として紹介されていたのを目にして、本書を手に取った。メーカーが舞台の経済小説というと、個人的には池井戸潤『下町ロケット』が思い浮かぶが、この『系列』には『下町ロケット』のような逆転劇や爽快さは全くない。本作は、日本を代表する自動車メーカーである東京自動車と、その系列部品メーカー大成照明器との、大成照明器経営陣の人事を巡る攻防がひたすら重い筆致で描かれる。その筋書の中で折々描写される、「宗主国と植民地」とも喩えられる両社の理不尽な関係の生々しさこそ、本書の読みどころと感じた。2024/02/03
YUJIRO
2
かつての系列関係の上に今の完成車メーカーとサプライヤー関係が存在する。ここで描かれている雰囲気、関係性を体感しておくことが、大きな変化が今後予想される自動車業界において、今いる自分の立ち位置を認識できるのではないだろうか。2018/12/23
えみ
1
大学の時、レポートの課題本だったので読んだ。
無名坂
1
自動車製造の系列会社間での戦いを主題にしており、内容的には悪くないが、文章が稚拙で、読点が5,6個入った長文が頻出して、読みづらい、っていうか読点使い過ぎ☆★2010/06/29
ルパン
0
★★★2022/01/28