角川文庫<br> 水木しげるのニッポン幸福哀歌(エレジー)

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角川文庫
水木しげるのニッポン幸福哀歌(エレジー)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 269p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041929124
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0179

内容説明

追いかければ追いかけるほど逃げていく「幸福」とは如何なるものか?幸福観察学会を主宰し、幸福の本質を探りつづけている水木しげるが描く、「幸福」にまつわる20の物語。幸福を夢見るあまり、哀しみを味わう人間たちの姿は、いつの世もかわらない。人生の達人、水木しげるが贈る珠玉の短編漫画集。人生の教科書がここにある。初文庫化作品「一つ目小僧」「役の行者」「打ち出の小槌」「時の神」など11編を含む20編を収録。

著者等紹介

水木しげる[ミズキシゲル]
1922年(大正11年)鳥取県境港市育ち。徴兵でラバウルに送られ、激戦地で左腕を失うも九死に一生を得て生還した。戦後は、生活のために数々の職業に就く。ふとした縁で紙芝居作家になり、以後、貸本漫画家を経て、「ゲゲゲの鬼太郎」「河童の三平」「悪魔くん」の大ヒットを飛ばし、人気漫画家として多忙な日々に追われるようになる。紫綬褒章、旭日小綬章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

22
これぞペーソスという短編集で、著者が好き放題やっている。「猫の町」では「元気のいい若者は都会に出て、老人と無能な青年が残った事が猫の繁殖に幸いした」なんて書いている。主人公は貧乏人で、猫にされたり、妖怪に取り憑かれながら、涙ぐましく滑稽に頑張る。それでもせこい人生から解き放たれて楽しそうだ。科学文明は欲望を刺激するばかりで何の解決にもならないと妖怪が糾弾する。神様がせっかく理想郷を作っても皆すぐに飽きてしまう。1970年頃の作品群だが、一周回って今の世の中にぴったりな感じが面白い。2017/08/13

フロム

10
まだまだ南方のニヒリズムが抜けてませんがペーソスが聞いていて面白い。何というかニヒリズムと希望の混ざり方が絶妙のなのだ。水木しげるエッセイから入った人は真っ先に読んでほしい作品2017/09/18

とんかつラバー

8
サラリーマン山田が活躍する短編集。高度成長期の日本が舞台。経済が豊かになり物質的に満たされて人は幸福なのか?その後バブル時代もあったけど、何も変わってないんじゃないか?バブルの恩恵すら受けられなかった世代には絵空事のようだが、全ての欲望が叶う夢の島で、山田が不満に満ちた現世こそが人間にとって極楽と言って去っていく話が印象的である。2022/01/28

ビシャカナ

0
幸福をテーマにした短篇集。その多くが貧乏な小市民が幸福をつかもうとして、幽霊や妖怪の手を借りようとするが、結局だめだった、というお話。自分が今まで読んだ水木しげる作品の中で特にシニカルで社会的だ。水木先生の人生や世の中に対する達観した心持ちがうかがえる。それでいてやはり水木先生のユーモアセンスが光る。 2014/10/13

ころころ

0
やっぱり背景が綿密に描かれていて色々な発見がある。 現代の妖怪、納得できるものばっかりで面白いなと思いました。 最後に出てきた「通貨」が一番のお気に入りです♪2014/02/04

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