内容説明
本格推理の偉大な作家、小宮山泰三を慕って多くの推理作家のたまご達が集まった幸福荘。しかしいまや当時の木造モルタルの面影は無く、三階建のマンションに変貌していた―。『幻の作家を訪ねる』企画取材のため、かつての幸福荘を訪れた私は花束を抱えた怪しい美女を目撃した。しかもその直後、偶然一枚のフロッピーが私の手元に…。創作か、現実か!?怪しげな人間ばかりが集まる館に残されたフロッピーをめぐって、またまた巻き起こる九転十転のドンデン返し。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たか
48
続編とは知らず、本書から読みだす。副題からして乱歩を思わせるが、その通りレトロな雰囲気が良く出ている。幸福荘の住人達の変人ぶりが際立つ。 1枚のフロッピーを巡っての争奪戦を繰り広げるのだが、展開が二転三転し、いつの間にか、作者の術中に嵌ってしまっていることに気付く。 どこまでが虚構でどこまでが現実なのか。最後まで読んでも、いや最後まで読んだからこそわからなくなる、軽い酩酊状態。 またしても、叙述トリックの名手にやられた。C評価2020/10/18
momi
46
あれ!?読み始めてすぐにデジャヴのような感覚…錯覚におちてしまうのだけど…それもそのはず!!「幸福荘」を建て替え、ここは「第二幸福荘」作品としては続編です!!前のアパートと同じく作家のたまご達があつまり、いろんな事件がおきていきます!そして…またまた例の「フロッピー」に、あの女「南野はるか」登場!もう、どうなってんのよ、これ〜!!著者の遊び心に感心しながらも呆れ笑いもあり…ドタバタハチャメチャ楽しめる作品になっていました!お約束どおり、悔しいけど騙された!!清彦…それはないでしょー!!2017/11/15
Satomi
46
続編!!第二幸福荘で暮らす個性的過ぎる住人たちと、1枚のフロッピーディスクがもたらす謎めいた事件。思わずズッコケてしまうような折原ワールド独特のどんでん返し!!住人たちを惑わす南野はるかのお色気も健在~!!そして力で女をねじふせようとするバカな男たちも相変わらず…ホント男ってバカだな~!!!笑2015/06/29
とも
27
★★★★『天井裏の散歩者』の続編で、前巻同様に連作短篇集の体をとってはいるが。前巻最後で燃え尽きた幸福荘は 新築リニューアルされて登場するし、南野はるかをはじめとする登場人物も相当にダブっているし、中に小さな短編がいくつもあるにはあるのだが 前巻と相当に内容もつながっているしで、もはや前巻の下巻であり、ただの長編小説と思っておいたほうが無難である。そういった意味では、まぁ各所にドンデンや混乱、驚きの連発で いやはや、もう私の中では「折原一は外さない」になり始めている。。。これは、相当にマズイ状況です。2018/05/20
redmove
6
前作(天井裏の散歩者)で無くなった後マンションに生まれ変わった幸福荘を舞台に再び色々発生する事件を描く連作短編集。基本的な構造は前作と同じなので、前作が好きな人には面白いと思う。自分には、パターンを変えようと工夫しているのはわかるが、いい加減くどく感じられた。特に登場人物の行動パターンが全部同じように見えて…。2014/06/12
-
- 和書
- すごい経営者のすごい趣味