内容説明
日本推理文壇の重鎮、小宮山泰三が住む2階建てモルタル造りの幸福荘。そこには古くから小宮山を慕う数多の作家志望の若者たちが集っていた―。幸運にも私はそんな幸福荘に入居することになったが、部屋に残されていた1枚のフロッピーが私を戦慄させた。創作なのか、現実なのか。〈文書1〉から〈文書6〉まで、6つの不思議な連作短編小説を読み終えた私は思わず天井を見上げて…。叙述トリックの名手が、九転十転のドンデン返しであなたに挑む、究極の叙述ミステリー。
目次
不完全な密室
あなたの部屋
最高の結末
心の旅路
函の神様
永遠のアイドル
ハッピーエンド
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
41
折原作品初読み。これはまた確かにメタメタで面白い!『天井裏-』から勝手に江戸川乱歩の『屋根裏-』をイメージしていたので、なおビックリ。文書毎に語られる事柄はなんか粗雑でくだらない。でもどんどん読めてしまうのは、“南野はるか”の魅力なのか(笑)それが終盤にかかっての二転三転に、どこに事実があるのか分からなくなる。そして最後はやっぱりぶっ飛んでニンマリ。これ、講談社版も同じ?2014/09/02
とも
35
★★★★さすがは叙述トリックの魔術師。前半から中盤にかけてまでは、軽い内容の連作短篇の体を取っているが、途中から、やはり何かが起こることに気づく。そうして騙されたと気づくや、あとは最後ページまで騙され続け、何がほんとで何が虚飾かわからなくなってくる。とにかく、決して表紙絵に騙されてはいけない。2018/05/12
へいっち(ت)♪
35
1枚のフロッピーに入った不思議な連鎖短編集。だんだん話はとんでもない方向にすすんでいく。何がホントで何がウソで、妄想なのか現実なのか・・・。そして「男ってバカだなぁ~」と思わずにはいられない(笑)2014/10/27
Satomi
28
お気に入り様の「男ってバカだなぁ~」のレビューを読んでバカっぷりが気になってさっそく手にした一冊♪何が現実でどこがフィクションなのか!!これぞ叙述ミステリー!!フロッピーの内容を意識しておかないと置いていかれる。二転三転する後半はかなりぶっ飛んでます!!それにしても南野はるかをめぐるオタクたち…呆れる~バカ~。女だと思って、侮るなかれ。私も言わせてもらいます「男ってバカだなぁ~」…笑。2014/11/04
ブルームーン
25
作家、書評家、作家志望者など普通じゃない人ばかりが集まるアパート「幸福荘」で起こる事件を描く連作短編。どれが真実でどれが妄想なのか混乱していく。最終章はネタに薄々気づいてしまったけど、楽しめた。時代が時代だけに「ワープロ」「フロッピー」などの言葉が出てきて懐かしかった。2014/01/20
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