内容説明
高谷美由紀は、結婚を間近に控えた27歳。彼女には幼い頃、増水した川で溺れかかっていたところを通りすがりの男子高校生に助けられたという過去があった。その話を知った友人たちは、その「命の恩人」を結婚披露パーティに招待するよう美由紀にすすめる。当時の新聞記事を頼りに、恩人・井口貴明の住所を探し出し、招待状を送った美由紀だったが…。かつての「恩人」はひそかに豹変していた―。書き下ろし傑作サスペンス・ホラー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーコ・オクダ
39
新津センセなんだから、ホラーなんだから、コワいのは当然わかってるくせに、登場人物とか会話、出来事のどれがどう化けるのかドキドキしながら読んだわ。骨髄移植が成功し、もうすぐ結婚する美由紀。結婚パーティーにアカン人を招待したがために、大切な人を2人も失うことに…。彼女の家庭環境にまつわる影、移植コーディネーター・佳世子、ドナー・野崎が抱える闇etc.も後に起こる不幸、恐怖に関係するのか、しないのか!?美由紀にとっての命の恩人2人があんな風にクロスするなんて…誰も望んでないよねー。2019/09/11
ジンベエ親分
32
結婚式に昔の命の恩人を招待したら…という話なのだが、ヒロインの骨髄移植の件、どこで繋がってくるか分からない主婦殺人事件の話が絡んでミステリー仕立てとなっている。それにしても恩人じゃなく、その母親が怖い!!初登場時から「こいつはただもんじゃない」オーラをビシバシ出して読者を怯えさせる(笑) この母ちゃんが本作をホラーとして成り立たせている。ミステリーとしては、途中から何となくカラクリには気づいていたのだが、ならどういうこと?というところまでは詰めきれなかった。ちょっとズルい、と思ったけど、楽しめたので良しw2017/10/30
annzuhime
28
院内の図書室本。かつて自分を救ってくれた恩人を結婚披露宴に招待する。ドナーとレシピエント、そしてもう1人の命の恩人。主人公の美由紀に共感できなかった。だって危機管理能力が低すぎるから。どう考えても狂ってるあの人とあんな関わり方したらダメだよ。殺人事件の行方はどうなるかと思ったけど、衝撃はなかったなぁ。文章は読みやすいです。平成11年初版。時代を感じる内容が多かった。今は白血病も治療が進んで、生存率がぐんと上がってます。2024/04/18
momi
25
読みごたえがあって面白かったです!この作品は「命の恩人」を題材にしています…。会いたいって気持ちはわかるけど「命の恩人」には会わない方が身のためなのね〜。初恋の人には会わない方がいいって言うけど…この作品を読むと恩人にも会わない方がいいみたいです(笑)月日が人を変えていく…。かっての恩人が豹変していた!!どんでん返しもあるし、二つの話が交わっていくところなんかとても面白かったです!一番怖いのは狂ってる人…。あの母親怖ーーい!!何回かゾクッゾクッとしました!!2014/05/22
roomy
24
恩人が必ずしも良い人とは限らない。自分の世界を守る為に不要な物は排除していく。こんな狂った母親は怖いよ。私はどうころがってもこんな風にはならないな。もう一人の恩人の刑事さんが同じ道を歩まないことを祈るばかり。2013/12/03