内容説明
神尾はるかはM大学の新入生。入学式で、幼なじみの浩子によく似た学生とすれ違い、思わず「浩子?」と声をかけてしまった。しかし、その学生が浩子であるはずはない。浩子は十数年前に故郷の村で行方不明になったままなのだ。浩子が行方不明になった時、村の大人たち全員で捜索したが、ついに発見することができなかった。その後、村にはダムが建設されることになり、浩子の失踪の謎とともに村全体が湖の底に沈んでしまったのだ―。十数年の時を経て、失われた村の秘密がはるかの前に姿を現しはじめる。哀切なサスペンス・ミステリー。
著者等紹介
赤川次郎[アカガワジロウ]
1948年、福岡県生まれ。76年、「幽霊列車」で第15回オール読物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。作品が映画化されるなど、続々とベストセラーを刊行
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感想・レビュー
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coco夏ko10角
23
はるかは大学の入学式で幼馴染に似た学生に思わず呼び掛けてしまう、しかしその子は子供の頃行方不明になりさらにダム建設のため村は湖の底に…。現在のいくつかの殺人事件、そして子供のころ村で何があったのか、とどんどん読み進める。解説の「読む映画」という例えがうまいなと。2020/06/16
最後の羅針盤
6
仕事の合間の時間つぶしに少しずつ読み進めたが、息つく暇のない映画のようだった。 何か甘酸っぱさが残ったのは、昔の角川映画のヒロインが浮かんだからか、未来に向かう若さが眩しかったからか・・・2013/08/15
えこ
5
学生の時にはまってた赤川次郎作品を久々読みました。 相変わらず読みやすくて、先が気になって、一気読みしてしまいます。 「読む映画」ですねー。2014/03/09
kaizen@名古屋de朝活読書会
4
週刊女性への2000年9月からの連載をまとめたものとのこと。 小説として、とてもよい感じでした。 主人公、その両親、2人のお友達。その家族。 いろいろ複雑な事情が見え隠れします。 学校側は最初から複雑そうで、学園長の代理が女性。 生徒と学園長代理という2人の女性を中心に物語が回ります。 学園物の枠にとどまらず、ダムの話や国会議員の話まででてきますが、 社会派小説にならないところが赤川次郎流なのだと感じました。 人間の思いの動きを中心に、映画の台本のように展開する。 赤川次郎の良書2011/08/16
Maimai
3
なんとなく記憶のある展開だったけど、面白かったです。2014/11/28