感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
59
手塚治虫の初期SF3部作(他二作は「ロストワールド」と「来たるべき世界」)は一冊も読んだことがなかったので、古書店で角川文庫ででていることに驚いて購入。巻末の解説で藤子不二雄A氏が語っていますが、戦後四、五年後に発表されたとしたら刺激的すぎる。ペシミスチックな感動と言うのも頷ける。「ふしぎ旅行記」はもっとシュールな作品でこちらも中々楽しめます。2012/10/27
多田幾多
29
人造人間、両性具有、ロボット、悪の秘密結社、未来都市。全部俺好みじゃあないか!と思う読んでみたら、自分が思っていた以上に面白かった。ある偶然によって作り出された美しい悪魔・ミッチィ。しかし自分は人間だと思い、自分の親を捜す健気さや人間以上に優しさを持つミッチィ。しかし自分がただのロボットだと知ったときのミッチィはどれほど絶望しただろうか?どれほど悲しんだろうか?そしてミッチィは憎しみによって悪魔になった…。160ページという枚数でここまで濃縮できるのかと思うと、本当に手塚治虫は天才だなと2014/06/25
白義
19
人間の技術によって生まれた、男でも女でもない美しい存在が人間の世界を揺るがす、という古典的筋立てのまさに古典ながら、白黒映画を思わせるスピーディーな展開でクラシックな雰囲気こそあれ悪い意味での古さを感じさせない。何より、160ページほどの漫画に悪の秘密結社の陰謀、放射能による巨大生物の暴走、人造人間の反乱とぎゅうぎゅうに詰め込み目まぐるしく展開を変えながら、それが一本の線に繋がっているのは堂々たるもの。ミッチィのような一見何者でもない存在の尊厳、というのに真正面からすでに考えていたのね2013/11/17
kochi
10
太陽に異常な黒点が多発するなか、ロートン博士の三十年以上の研究の成果として、人造人間ミッチィが誕生!ミッチィは果たして人類の福音かそれとも災いか? 1950年頃の作品なので、手塚二十歳ぐらいの作品と思われるが、十万馬力で空を飛ぶ後年のアトムを彷彿とさせる主人公に、そのまま出てくるヒゲオヤジや人類全体に関わるテーマなど、そして、同じく収録されている「ふしぎ旅行記」には、お馴染みのベレー帽姿の本人画像もあり、手塚のスタイルはいったい何歳で確立されたのか?と言う疑問が読後に生じる、個人的には記念的作品か。2020/03/21
HIRO1970
10
⭐️⭐️⭐️昔、読みました。2006/03/09
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- 和書
- うさぎになりたがった子熊