内容説明
血の絆で結ばれた洋子と高志。異なる性の双子が貪る、耽美な禁断のエロティシズム。それは、洋子の婚礼が近づくにつれ、哀しく顕在化していった…。幻想は現実に、情念は行為へ。時代を超えて幽玄世界へと誘う現代のロマネスク文学。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
35
姉弟は他人のはじまりという。姫野さんは「姉と弟、それは人生最初で最後の、横の繋がりの単位」だと書く。戦前・戦後・現代と時空を越えた4つの近親愛の物語はどこか切なくどこか哀しい。作者はあとがきで書く「女の人ならいくつになっても夢見る完全なおはなしを、男性が読んでもちっとも面白くないやつを一度、やってみたかった」と。男性の僕が、先の展開も読めず、全編わくわくして楽しんで読んだわけで、作者のこの目論見は、外れてしまったと言えようww勝ったwww(違2010/10/03
hideko
29
熱帯夜の為、再読。…というか何回も再読している。 男女の双子のラブストーリー。4章からなるオムニバス。 現代、大正、戦中、戦後。時代が変わっても惹かれずにはいられない2人。 家柄が良いので姉のほうは政略結婚の婚約者がいても、家庭教師と関係を持っても、家が没落し身体を売るようになってもただ、ひたすら弟を愛する。 弟のほうも… 関係は近親相姦だし、ややSMだが純粋な愛ではなかろうか。2017/08/11
青葉麒麟
17
双子の結束の堅さは凄いと思う。2011/09/16
いいちゃん
16
双子の耽美な世界。昼間に太陽の下で読んでしまったけれど、夜ひそっりと読みたい感じ。2016/05/07
訃報
10
簡潔なのにとても淫猥な文章!へ、へんたいだー!!そしてやはり、SとはMへの究極の献身なのであった。すべてを唯一人のために捧げる。明らかに整合性が取れないけれども繋がっている構成も、面白かった。2017/10/23