内容説明
49年連れ添った両親が離婚を宣言。が、これからも生活は今までどおりだという。息子、娘たちは理由がさっぱりわからず、それぞれの家族を含めて、大騒ぎに。どうやら、長年世話になった家族同然の女性に遺産を分けるためらしいが…。それぞれの思惑と愛情が交錯して、意外な結末にたどり着く。読売新聞夕刊に連載したユーモアあふれ暖かみのある家庭小説の文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかつや
7
法事の席で一族の長である草平は49年連れ添った妻・静江と離婚することを発表する。ひっくり返る息子、娘ら親戚一同。なんのつもりだ、ボケちゃったのかと大わらわ。おじいちゃんには何か考えがあるようだが……。ユーモラスだけど家族というものについて考えさせられる良い小説だった。おじいちゃんのアイデアはたしかに理屈の上では名案ではある。でもそうそう理屈ばかりが幅を利かせないのが人情ってもんだよな。実はおじいちゃんだって理屈だけじゃなかったような気もするし。男なんだから少しくらいはスケベ心もあったんじゃないかなあ。2022/07/21
かしまさ
3
いろんな建前でもって、みんな自分の都合で動くんだよね結局、なんて思ってたらまさかの展開。こんな人もいるんだなぁ。泣けた。2016/01/05
kthk arm
1
79冊目。どこにでもあるような家族のゴタゴタ話のつもりで読むけど、結構裕福な一家の話なんだよなぁw2020/07/18
あんぐる
1
両親が突然、49年間の夫婦関係の解消を発表。訳のわからない子どもたち(とはいえみんな大人)は大騒ぎ。厳密には家族ではないけれども、物語に欠かせないキャラクターの瑞穂さんが、とにかく恩義を忘れず筋を通すできた人物。自分なりに小説を読んできたなかでもこれだけの人物はちょっといなかったと、感動。2012/04/27
のり お
0
言い具合に軽くて、面白い。少し、感動もしたりして。プロポーズを断った後のシーン、好きでした。家族って、財産や思いや生き方なんかを次へ受け渡して行くんですね。2013/07/08