内容説明
高校卒業の日、積年の怨みを自殺という形であてつけようと、伊豆山中に死に場を求めた神保康明は、そこで奇妙な老人と少女に会う。「二十年後を待て」それが老人の放ったメッセージ。死を思いとどまった康明は、やがて愛妻家で子ぼんのうのよきパパとなる。だが、二十年後の同じ日、平和な暮らしをしていた康明に、突然復讐の鬼が取り憑いた。何も知らぬ妻の前では理想の夫を演じながら、陰では人の頭を打ち砕く殺人鬼。その背景には常識を超えた驚愕の真相が。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
44
神保家三部作の一作目。20年前、高校のクラスでのイジメ、そんな康明を見捨てた教師や父親を怨みながら絶望し自殺をしようとする。その時に出会った見知らぬ老人と少女により『20年その怨みを発酵させるのだ』と言われる。20年後にその発酵された怨みを取り出す事から物語は進行してゆく。『精神とは何か』というのを軸に少々難しい部分もあるが神保家の崩壊が始まる。康明の狂気は何ものかに操られているのか、精神の崩壊故なのか、もともとインプットされているものなのか。三部作と言う事で物語は完結しないため次を早く読みたい。2018/04/16
kumo
33
★★★☆☆2020/03/31
Mika
12
さらっと読める、本当に短い。 これだけの内容ならもっと重みのある分厚い物語に仕上げられそうなのに。シンプルな怖さだけを書きたかったのかなぁ… しかし地味で、グロさもないけど、怖い!普段は無邪気な小さな子供の狂気って何よりも怖いかもですね。2017/03/17
いっちゃん
11
短い。まだまだ楽しめそうなのに終ってしまった。続編ってどれなんだろう?読みたい。2018/01/15
白湯
10
なんとも言えず、気持ちの良くない話でした。 精神、名前、そういったものを追求するのは面白いと思うけど、それを展開させる材料選びのセンスが私には無理矢理な感じがして気持ち良くないというか、不穏な感じで読後感悪し。2014/05/15