感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
53
これは、雑誌に「新・雨月物語」ということで12回の連載で書かれたものだそうです。著者はあまり題名にはこだわらないでほしいといっていますが、やはり雨月物語を思い起こさせるものもあります。いつ読んでも文章の素晴らしさと最後のどんでん返しのような気分を味わせてくれる手練手管はこの作品でも健在でした。最近は年をとったせいは昔読んだ時とは感動が異なりますが。2015/06/20
おくしょー
8
久々連城さん。「雨月物語」を下敷きにした12話の短編集。連城さんの文章は幻想的で、耽美。どんでん返しあり、ホラーあり、男女の恋愛あり、ノスタルジックもあり。贅沢。「陰火」「露ばかりの」「化鳥」「その終焉に」が好みだった✨8話目の「黒く赤く」と9話目の「紅の舌」は続いてるお話だよね?連城作品の女は怖い🙊2022/07/11
Kento Isikumada
7
何か最近いい本読んでないな、名作に当たらんなぁ、読みたいなぁ。な人はこの作者の本を是非に。『小説』です。2014/10/03
まめの助
5
★★★☆☆幻想的な怪異譚やミステリの短編集。短かいお話なのに、長編を読んだようなずっしり感。うっとりする文章で語られるお話が、とにかく怖い。嫉妬や悪意など人間の心の闇が深くて、ぞわぞわが止まらなかった。2017/08/06
harukawani
5
全12話で220ページ強。全て20ページ以下の掌編なんだけど、1話1話が濃厚で、強い印象を残す作品ばかりなので、一気読みはつらい。しかしまぁよくもこんな短い話の中で、ミステリ的などんでん返しと恋愛ドラマを描ききりますねぇ。30冊以上読んでも、連城三紀彦には驚かされてばっかりだ…。怪異譚と呼べるものもあったりして、濃淡はあるんだけど、それぞれに連城さんらしいミステリ要素がある。好きなのは「陰火」「露ばかりの」「鬼」「熱き噓」あたり。特に「露ばかりの」と「鬼」はおそろしいな…。2015/02/22