内容説明
鎌倉幕府は崩壊し後醍醐天皇の親政がはじまったが、まだ多くの難問を抱えていた。北条一族の残党は各地に残り、武家社会の復活を望む声も大きかったのだ。北条時行が決起し、各地からも武将が集結し、鎌倉はいとも簡単に奪われてしまった。足利尊氏は征夷大将軍を拝命することを期待し、動かない構えでいたが、後醍醐天皇に反逆し、兵を鎌倉へと向けた!!壮絶なる南朝と北朝の戦いを描いた歴史大河小説の白眉。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年熊谷市生。青山学院大卒。十年に及ぶホテルマン生活を経て作家となる。江戸川乱歩賞・日本推理作家協会賞・角川小説賞を受賞。推理小説の他、歴史小説・ドキュメントにも作風を広げている。2004年には作家生活四十周年をむかえ、日本ミステリー文学大賞を受賞した
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感想・レビュー
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うたまる
3
「いまこそ足利の覇を唱えるときである。我らの行く先は都あるのみ。心を一にし力を合わせ、足利の総力を挙げて都へ攻め上ろうではないか」(足利尊氏)……九州落ちから湊川の戦い、南北朝鼎立まで。太平記の記述に忠実になると、どうしても分からないのが本巻での楠木正成の身の処し方。建武の新政以後ますますクズっぷりを増す後醍醐天皇とその取り巻きの公家たちに、なぜ忠誠を貫き続けたのだろうか。彼は赤松円心と同様、既成の権威に纏ろわぬ悪党ではなかったのか。ここら辺に太平記の嘘臭さや誤解釈がありそうだ。2014/05/26
アンゴ
3
1335(建武二)年-1339(延元四)年 北条時行が鎌倉に帰還するも再度奪還され流浪。尊氏反逆九州落ち。 楠木正成、桜井の決別後、湊川にて討ち死に。南北朝分裂。 新田義貞、北畠顕家、主立った柱臣討ち死に。 主人公後醍醐帝崩御。 この巻読んで湊川神社に行って来た。低い丘陵の森に正成一統が自刃した場所と水戸光圀が建立した墓碑が残されている。それまで楠木正成は忘れられていた存在だったと見える。 なんと神社になったのは、明治帝になってからの事で、これはやはり忠君規範に過剰に悪用したと判断せざるを得ない。2014/03/29
suzuki-takefumi
2
建武の新政は瓦解。戦況が行ったり来たりしながらも、楠木正成の戦死、後醍醐天皇の降伏で戦いは一段落。しかし、全体通して後醍醐天皇側の無策が目につく。序盤はここまで無能じゃなかったはずなんだが……2009/08/21
ちゃま坊
1
北条残党に鎌倉を奪還された足利尊氏が、後醍醐天皇に無断で征伐に行く。このあたりから後醍醐vs足利尊氏の戦いが始まる。忠臣楠木正成の戦死が哀れに思う。★★2015/06/20
茅渟釣迷人
1
古本購入-売却2011/02/19
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- 和書
- 水仙月の四日